テレ東が「NFT」事業会社に約3億円出資した狙いとは? 新分野でコンテンツビジネス拡充
テレビ東京は、最新の暗号化技術を用いてコンテンツビジネスなどを展開するNFT(非代替性トークン)事業会社に出資した。放映する番組やコンテンツから派生するキャラクターなどを用いたゲームや商品化ビジネスの拡大をめざす。
出資先の企業は、シンガポールを拠点にNFTのゲームプラットフォームを運営するDigital Entertainment Asset Pte. Ltd.(DEA)。約3億円にあたる220万米ドルを出資した。
テレ東、NFTへの注力は“収益構造の改革の一環”
テレビ東京は配信、アニメ、イベント、通販・ECなどの事業をさらに成長させ、放送事業だけに頼らない収益構造の改革を一段と進めている。今回の出資もその一環という。
今後、テレビ東京はDEAへの出向人事も検討しており、NFTを活用した新たなコンテンツの楽しみ方を広げていくとしている。
DEAは2018年8月にシンガポールで設立。自社で発行する暗号資産「DEAPcoin(ディープコイン)」とゲームを融合させたゲームプラットフォーム「PlayMining(プレイマイニング)」を運営している。
すでに自社プラットフォームで「JobTribes(ジョブトライブス)」「Cookin’Burger(クッキンバーガー)」「麺屋ドラゴンラーメン」といった3つのNFTゲームを運営しており、世界100か国以上で250万人以上のユーザーを抱えているという。
「Web3」に意欲、DEAとの提携は「第1弾」
テレビ東京の石川一郎代表取締役社長は次のようにコメントを発表している。
テレビ東京は、報道、アニメ、ドラマ、バラエティ、スポーツなどさまざまなジャンルの番組・コンテンツを制作している。NFTなど「Web3」と呼ばれる最新のデジタル技術を学んで、より皆さんの役に立ち、楽しんでもらえるようにしていきたいと考えている。DEAとの提携をその第1弾ととらえており、これを突破口に新分野に積極的に取り組んでいく。(テレビ東京 石川氏)
テレビ東京から出資を受けた、DEAの吉田直人Founder&CEOと、山田耕三Founder&Co-CEOはそれぞれ次のようにコメントを発表している。
「Web3」エンタメで世界No.1をめざしているDEAにとって、アニメなどコンテンツビジネスに実績があるテレビ東京とのパートナーシップは大変心強く感じている。全く新しい次世代の「Web3」エンタメコンテンツを一緒に作っていけること、今後の展開が本当に楽しみ。(DEA 吉田氏)
私の社会人としての礎を築いたテレビ東京と業務提携推進で合意できたことは本当に感慨深く思っている。2002年に入社し2017年に退職するまで15年間勤続し、番組プロデューサーや営業などさまざまな立場で業務を担当した。
これから、「Web3」についてのマス向けの正しい情報発信や各企業における「Web3」施策の共同コンサルティング、「Web3」アプローチで世界に通用する新規コンテンツIPの開発などを考えている。(DEA 山田氏)
DEAが手掛けるトレーディングバトルゲーム「JobTribes」とは 「JobTribes」は職業をテーマにしたトレーディングカードバトルゲーム。スマートフォンやPCなどで無料で楽しむことができ、プレイするとゲーム内通貨「PALEcoin(ペールコイン)」が手に入る。 「ペールコイン」はDEAが発行する暗号資産「DEAPcoin」に変換することができ、暗号資産取引所で日本円に交換することも可能。このため「Play To Earn(プレイトゥアーン)=お金を稼げるゲーム」と呼ばれている。 ゲーム内の特別なアイテムは世界のトップクリエイターが描いたNFTになっており、デジタル資産として売買できるのも特徴だという。 |