ファンケルが「送料無料」表示を見直し。「送料はファンケル負担」「送料当社負担」へ切り替える理由

会報誌、広告などで掲載している「送料無料」表示を、5月8日から「送料はファンケル負担」もしくは「送料当社負担」に切り替える

松原 沙甫[執筆]

2024年5月7日 10:00

ファンケルはECサイトなど自社媒体上での「送料無料」表示を見直す。

ECサイト「ファンケルオンライン」、会報誌、広告などで掲載している「送料無料」表示を、5月8日から「送料はファンケル負担」もしくは「送料当社負担」に切り替える。

ファンケルはECサイトなど自社媒体上での「送料無料」表示を見直す
「送料無料」表示の見直しイメージ

消費者庁は販売事業者に対して2023年12月19日、「送料無料」表示を「送料当社負担」「〇〇円(送料込み)」といった表示などへ自主的に見直すよう促す方針を発表している。ファンケルの「送料無料」表示の見直しは、この消費者庁の方針に対応するための措置。

消費者庁はECサイトなどで「送料として商品価格以外価格の追加負担を求めない」旨を表示する場合、通販・EC事業者などは表示についての説明責任があると指摘。「関係事業者などに送料表示の見直しを促すとともに、従業者の自主的な取り組み状況を注視していく」との方針を示していた。

ファンケルの通販事業の注文件数は年間約700万件。物流の人手不足が懸念される「物流2024年問題」では2024年度に14%、2030年度には34%の輸送力が不足する可能性が指摘されている。ファンケルはこうした問題を受け、社会インフラとなっている物流持続の取り組みとして「送料無料」表示の見直し、「置き配」「おまとめ配送」を推進していく。

「送料無料」表示の見直しにより、トラックドライバーによる就業時間が制限される「物流の2024年問題」にも対応。その一環として4月18日~6月30日までの期間限定で、「置き配」利用者や複数回の注文をまとめて配送する配送手段を選択した顧客に、独自のポイントを付与して物流への負担軽減に取り組んでいる。

「置き配」を選択した場合、顧客に1回あたり10ポイントのファンケルポイントを付与。ファンケル定期便を利用している顧客が別の商品を注文した際、ファンケル定期便と一緒に配達する「おまとめ配送」を選択した場合、通常1回あたり30ポイントを60ポイント付与する。なお、ファンケルポイントは1ポイント=1円として支払いに利用できる。

「送料無料」表示の見直しでは、牛丼の吉野家が自社ECサイト「吉野家公式通販ショップ」やECモール店の「送料無料」表示を「送料込み」に変更。「2024年物流問題」に関して積極的に取り組むとしている。

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