藤田遥 8:30

アスクルは2月18日、事業開始以来初となるピッチイベント「いい明日がくるPITCH CAMP」を実施した。スタートアップ企業5社が登壇。各企業が提供するサービスなどを活用してアスクルとどのような協業が行えるかといったアイディアを発表した。

国内スタートアップ企業5社が新規ビジネスのアイディアなどを発表

「いい明日がくるPITCH CAMP」は、アスクルが持つアセットを有効活用したイノベーションへの期待、共創機会の創出を目的として実施したイベント。当日はアスクルのさまざまな部署や立場の社員が会場・オンラインあわせて311人が参加した。

スタートアップのHelpfeel、goooods、STORES、AgeWellJapan、コミューンが登壇。イベントのテーマである「働く人に“うれしい”を届け続ける共創イノベーション」に基づき、アスクルおよび各企業の成長につながるアイディア、新規ビジネスの提案などを行った。

Helpfeel:アスクル利用ユーザー・社員の「うれしい」を実現

Helpfeelは、「情報格差をなくす」をコンセプトに、AIを活用して自己解決率を上げるFAQツールを提供している。

アスクル ピッチイベント「いい明日がくるPITCH CAMP」 Helpfeelが提供している検索型AI-FAQシステム「Helpfeel」
Helpfeelが提供している検索型AI-FAQシステム「Helpfeel」(画像はHelpfeelのサイトからキャプチャ)

「うれしいを届け続ける」の観点から、同社のツールを活用し、アスクル利用ユーザーの問い合わせ負荷軽減、削減による外注費用の削減、検索関連商品のクロスセルによる売り上げ向上に寄与するアイディアを提案した。

Helpfeel 営業部 菊池玄士朗氏
Helpfeel 営業部 菊池玄士朗氏

goooods:物流×B2Bの強みを生かした「サンプル体験」の構築

goooodsは、中小卸売企業の取引先開拓から決済業務までの卸し業務をワンストップで行えるBtoBプラットフォームを提供している。

アスクル ピッチイベント「いい明日がくるPITCH CAMP」 goooodsが運営しているBtoBプラットフォーム「goooods(グッズ)」
goooodsが運営しているBtoBプラットフォーム「goooods(グッズ)」
(画像はgoooodsのサイトからキャプチャ)

アスクルの持つ物流ノウハウを生かした協業により、物流業務に強みのあるBtoBのマーケットプレイスとして、「圧倒的に便利なサンプル体験ができる」仕組みの構築を提案。また、企業間マッチング、与信審査なども「ASKUL」とのシームレスな連携で実現できると話した。

goooods CEO 菅野圭介氏
goooods CEO 菅野圭介氏

STORES:中小企業の商いを支援

STORESは、ネットショップ構築サービス、POSレジアプリなどのサービスを提供しており、2024年末に中小事業者向けの「中小支援プラン」を開始した。

アスクル ピッチイベント「いい明日がくるPITCH CAMP」 STORESが提供しているサービス
STORESが提供しているサービス(画像はSTORESのサイトからキャプチャ)

アスクルと協業して中小企業と消費者間をつなぎ、「ASKUL」利用企業の商いの支援、たとえば配送課題の解決、DXによる業務効率化、売り上げ向上などの実現につながるアイディアを提案した。

STORES CFO 齋藤健太郎氏
STORES CFO 齋藤健太郎氏

AgeWellJapan:シニア世代とのリアル接点を生かす

AgeWellJapanは、シニア世代向けのウェルビーイングサービスを提供し、新しい超高齢化社会の実現をめざしている。

アスクル ピッチイベント「いい明日がくるPITCH CAMP」 AgeWellJapanが提供しているサービスの1つ
AgeWellJapanが提供しているサービスの1つ(画像はAgeWellJapanのサイトからキャプチャ)

ほとんどが大学生で構成される「Age-Well Designer(エイジウェルデザイナー)」を育成し、シニア世代向けスマートフォンレクチャーなどを実施している。同社のシニア世代とのリアル接点、アスクルのビッグデータを活用したシニア世代向けの商品開発を提案した。

AgeWellJapan COO 戸田一樹氏
AgeWellJapan COO 戸田一樹氏

コミューン:コミュニティを活用したLTV向上などを提案

コミューンは、コミュニティを活用してユーザーのインサイト発掘、商品購入などを行えるコミュニティプラットフォーム「commune(コミューン)」などを手がけている。

アスクル ピッチイベント「いい明日がくるPITCH CAMP」 コミューンが提供しているコミュニティプラットフォーム「commune」について
コミューンが提供しているコミュニティプラットフォーム「commune」について
(画像はコミューンのサイトからキャプチャ)

アスクルとの協業では、「これからのブランドをお客さまと創出する」をテーマに、コミュニティを形成し、各ユーザーに最適な商品とで会えるネットワークの構築を提案。ユーザーの解像度を高めて、PB商品の開発、既存顧客のLTV向上などにつなげられると話した。

執行役員 VP of Sales 高橋範行氏
執行役員 VP of Sales 高橋範行氏

各企業のプレゼンテーションを受け、アスクルの保苅真一氏(取締役 CTO)は「アスクルが新規事業の立ち上げに悩んでいるなかで、とても良い刺激になった。各企業ともディープダイブして拾い上げる力が強いと感じた」とコメントした。

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