鳥栖 剛[執筆] 6:30

購入者から一律に徴収する送料を改定し、2024年4月に従来の250円(税込)から330円(同)に値上げしたZOZO。2025年3月期の連結業績によると、商品取扱高に占める営業利益の割合を示す商品取扱高営業利益率は前期比0.1ポイント改善の11.3%となった。商品取扱高が拡大したほか、送料収入の増加が増益に寄与したという。

営業利益の増減分析によると、前期の営業利益600億7000万円に対して、2025年3月期は前期比7.8%増の647億5600万円。商品取扱高が115億5000万円拡大し、「その他粗利増」として送料収入の増加などが39億7000万円上乗せとなった。そのほかの増益要因として、広告事業の成長、倉庫内作業効率上昇に伴う物流関連人件費率の低減をあげている。

一方で、利益面のマイナス要因に荷造運賃費率の上昇、決算賞与の支給による人件費の上昇、新物流拠点賃借に伴う賃借料・減価償却費率の上昇をあげた。

送料値上げから1年。ZOZOの送料収入増などで約40億円増、配送費用の値上げなどで商品取扱高営業利益率は0.1ポイント改善に
利益面のマイナス要因として「荷造運賃費率の上昇」もあがった(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

「ZOZOTOWN」の商品取扱高を同期間の出荷件数で除すことにより算出した平均出荷単価は、四半期ベースで比べると2.0~3.8%の伸び率で推移。四半期ごとの平均で見ると約8735円で、前期と比べて254円の増加となっている。

購入金額1万2000円以上で送料をZOZOが負担する送料無料施策の実施回数は、前年度と比較して拡大。これによる併わせ買いの注文が増え、出荷単価が増加している。

送料値上げから1年。ZOZOの送料収入増などで約40億円増、配送費用の値上げなどで商品取扱高営業利益率は0.1ポイント改善に
一定金額以上購入で送料無料とするキャンペーンによって平均出荷単価増に(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

通期累計の実質プロモーション費用は前期比14.1%増の252億9600万円となり、金額ベースでは31億2300万円の増加。web広告や送料無料施策の強化が主なコスト増要因となっているという。

送料値上げから1年。ZOZOの送料収入増などで約40億円増、配送費用の値上げなどで商品取扱高営業利益率は0.1ポイント改善に
送料無料施策の強化などによりプロモ費用は増加(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

2025年3月期の連結業績は、商品取扱高が前期比7.0%増の5743億7300万円、売上高は同8.2%増の1970億1600万円、営業利益は同7.8%増の647億5600万円、経常利益は同8.6%増の648億8800万円、純利益は同2.3%増となる453億4600万円。

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