生活用品専門商社の三栄コーポレーション「EC事業を加速」させる成長戦略とは
生活用品の専門商社で、OEM(卸売)事業や小売業などのブランド事業を手がける三栄コーポレーションは、2026年3月期のEC売上高を前期比9.0%増の64億円をめざす方針を掲げた。
2025年3月期のEC売上高は約59億円
三栄コーポレーションは2026年3月期までの中期経営計画のなかで、EC事業を「成長ドライバー」と設定。2025年3月期EC売上高は前期比11.8%増の58億7000万円だった。インテリアショップがけん引したほか、サービスラインの拡大や商品の幅出し(新ジャンル)などが増収につながったという。2026年3月期は2億円程度の投資を実施し、さらなる拡大をめざすとしている。
EC成長に向けた取り組みとして2025年4月、従来から三栄コーポレーションの家具ECを展開していた福岡事業所を母体とした「新規チャネル推進事業部」を新設した。家具のEC事業の強化に加え、生活用品分野での商材、ECチャネル拡大、ノウハウやインフラを外部販売するフルフィルメントサービス事業の強化で、ECなど販売チャネル軸での営業活動を強化する目的で設立した。
現在は福岡事業所を拠点に活動しているが、ゆくゆくは海外向けの営業活動も考えているという。三栄コーポレーションでは「楽天市場」での家具ショップからスタートし、現時点で26ブランド・38店舗を運営している。
商品ラインの拡充面では、2024年に観葉植物の取り扱いを開始。5月には防災・防犯グッズのECを展開する企業2社の買収を発表している。
2月からは3PL事業「Thirdlogi(サードロジ)」をスタート。展示会への出展なども含め、営業活動を強化している。すでに国内外、複数の会社が導入。なかにはECモールで月間優秀店舗の表彰を受けた店舗もあるという。
三栄コーポレーションは、1946年に雑貨の輸入商社として創業。現在は輸入業のほか、家具、インテリア、ガーデニングなどのブランドを取り扱うネット通販を自社EC、ECモールで展開している。2025年3月期の全社売上高は前期比8.6%増の398億6100万円、営業利益は同80.2%増の20億9600万円、経常利益は同72.2%増の21億4900万円、当期純利益は同81.1%増の9億7400万円だった。