中川 昌俊 2014/5/9 18:26

緑風出版、水声社、晩成書房の出版社3社は5月9日、アマゾンに対し、3社が出版する書籍の出荷を停止したと発表した。アマゾンが12年8月から提供している書籍価格の10%をポイント還元する学生向けのサービス「Amazon Student(アマゾンスチューデント)」が値引きに当たり、「再販制度」に違反するためとしている。

3社は今年4月に「日本の出版文化を支えてきた再販制度をなし崩しにする」としてアマゾンに対して抗議しており、サービス対象から自社の本を除外するよう求めてきた。しかし、受け入れられなかったため、出荷停止に踏み切った。期間は半年間で、対象から外れれば出荷を再開するとしている。

来週以降、同様の状況が続けば、三元社と批評社も出荷停止に踏み切るとしている。

本や雑誌、新聞や音楽用CDなど著作物は、販売店が自由に値引きできるとする独占禁止法の適用対象外で、「再販制度」によって出版社が価格を決められる。

アマゾンは12年8月から会員制サービス「アマゾンスチューデント」を開始。大学生や大学院生などを対象に、年会費1900円で「当日お急ぎ便」などが無料で使い放題になるAmazonプライム(通常年会費3900円)が利用できるほか、書籍(コミック・雑誌を除く)の注文金額の10%分のポイント還元を実施している。

アマゾンジャパンでは「学生が新しい本を手にする一助になればと考えている。今後も魅力的なサービスの提供に努めたい」とコメント。出荷停止については回答を控えるとしている。

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