楽天の1-3月期国内EC流通額は31.7%増の5033億円、出店者数は微減

楽天の14年1-3月期における国内EC流通額は前年同期比31.7%増の5033億円と大きく伸ばした

中川 昌俊

2014年5月9日 15:04

楽天が5月8日に発表した14年1~3月期(第1四半期)の連結業績は、「楽天市場」の流通額を中心とした国内EC流通額が前年同期比31.7%増の5033億円だった。昨年の日本一セールなどで獲得した新規顧客が3月の増税前のタイミングなどでリピート購入するケースが増え、流通額の拡大につながった。

14年3月初頭に「楽天スーパーセール」を開催。増税前の日用品の駆け込み需要などで、期間中の流通額が644億円に伸びるなど、好調に推移。セール後の売れ行きも順調で、14年3月度の流通額は前年同月比52.5%増となった。

リピート率も向上しており、昨年10~12月に楽天市場で新たに購入したユーザーの46.0%が14年1-3月期にリピート購入しているという。昨年11月に開催した日本一セールなどで、新規顧客を大きく集めたが、その顧客の定着が寄与したようだ。

モバイル流通額62.8%増、店舗の質を高め、ヤフーと差別化

スマートフォン(スマホ)やタブレットなどモバイル経由での購入も浸透している。楽天市場でのモバイル経由流通額は前年同期比で62.8%拡大。楽天市場におけるモバイル比率は40%を超えた。

楽天ではスマホでも購入しやすいようトップページのデザインやシステムの改善を進めており、こうした施策の効果が表れてきているようだ。高橋理人常務は「消費者はPCとスマホを状況によって使い分けており、こうしたどちらも使うユーザーに対し、スムーズに使えるよう工夫してきたことが実っている」とコメントしている。

3月末時点の出店者数は4万1945店舗で、13年12月末時点と比べ51店舗減少。一方で、1店舗あたりの流通額は28.0%増で、平均年間売上高は1000万円を超えた。出店プランでは、売上高の小さい初心者店舗向けの「がんばれプラン」の割合が下がっている一方、売上高の大きな店舗向けの「スタンダードプラン」や「メガプラン」の割合が高くなっている。

ヤフーが実施している出店料無料化により、新規出店者の獲得は望みにくくなっているが、1店舗あたりの流通額を高めることで、「店舗にとって健全な取引の場になってきている」(PR推進部)としている。

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