大手モール3社の14年1-3月期流通額、各社とも近年では最も高い成長率に
楽天、ヤフー、ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営するショッピングモールの14年1-3月期における流通額の成長率を見てみると、楽天が前年同期比31.7%増、ヤフーが同20.5%増、DeNAが同19.0%増となり、3社ともここ数年で最も高い成長率を示している。
モール各社が大きく流通額を伸ばしたのは、消費増税前の駆け込み消費という側面が強いと考えられる。
モール3社では、いずれも3月上旬に大々的なポイントセールを実施した。ポイントセールにおいては、購入するショップ数が増えると、その分ポイントの付与率を高めるという仕組みを採用。お米や水、トイレットペーパーなどの日用品を買い集める消費者が、合わせて他の商材を購入するケースが多く、流通額を大きく拡大させる要因となった。時計やブランド品など高価な商品を消費増税前に購入したいというニーズも高まり、高額商品の売れ行きも好調だったという。
セールが終了した後も3月中は売れ行きが好調だった店舗が多い。モールに出店するEC企業からは「ポイントセールがないときでも間断なく注文が入ってきた。こんなに売れるとは思っていなかったので、急きょ在庫を増やした」などの声が聞かれた。
3社の3月度におけるモール流通額の成長率を見てみると、楽天は前年同月比52.5%増、ヤフーは同35.8%増、DeNAは同42.0%増となり、増税前の駆け込み需要の大きを表している。
特需の反動は4月までか
一方で、懸念されているのが4-6月期の流通額の推移だ。特需の反動で4月度の売れ行きが悪かったという声が多く聞かれる。あるファッションECサイトの運営者は「(3月度は)毎日30~40件の注文があったが、4月に入ってからは1日数件という日も多い」と話す。また、日用品EC会社の社長は「日用品は買い溜めされるので、4月は売れ行きが悪くなることは予想していた。人手が空いたので、物流の再編などを行っている」という。
ただ、特需の反動は4月で収束し、5月からは上向くとの見方も出てきている。モールに詳しい専門家によると「4月上旬に開催したポイントセールは散々だった。ただ、5月に開催したポイントセールでは通常のセールに少し劣るくらいの状況に戻ってきている。6月に開催する大型セールでは、昨年の売れ行きを超えることも予想される。結果的に、4-6月期の売れ行きは昨年を超えてくるのではないか」と見ている。