ヤマトHDがマレーシア宅配2位のGDEX社と業務資本提携

国内ネットワークの充実を図るとともに東南アジア各国への展開拡充に

中川 昌俊

2016年1月25日 13:00

ヤマトホールディングスは1月21日、マレーシア宅配第2位のGD Express Carrier Bhd.(以下「GDEX社」)と業務・資本提携することを明らかにした。マレーシアでの小口輸送ネットワークの充実と拡大を図る一方、東南アジア各国への展開拡充につなげていく。

GDEX社は1996年の設立で、マレーシアの宅配便市場で約2割のシェアを持つ。企業間の小口輸送に強みを持ち、郵便事業を手がけるポスマレーシアの宅配便子会社に次ぐ第2位。マレーシア証券市場に上場しており、2015年6月期の連結売上高は1億9700万マレーシアリンギット(約53億円)。

ヤマトホールディングスは連結子会社であるヤマトアジアを通じて、GDEX社が実施する第三者割当増資を約58億円で引き受け9.1%の株式を取得。その後、既存株主から株式を取得し、保有比率を23%まで引き上げ、早期にGDEX社を持分法適用関連会社とする予定。第三者割当増資と同額で株式を取得した場合、投資総額は約150億円が必要となる見込み。

ヤマトグループでは2011年から、マレーシアヤマト運輸が都市部を中心に宅配事業を手がけている。マレーシア全土に物流網を持つGDEX社との連携で、全国展開を行い事業拡大につなげる考え。

マレーシアを起点とする東南アジア各国への展開拡充でも、協力関係を強化していく。

ヤマトホールディングスでは、TPPの大筋合意やAEC(ASEAN経済共同体)の発足で、東南アジア地域による貿易の活発化、域内物流のニーズが飛躍的に拡大する可能性が高まっていると予測。地域全体をつなぐ「ラストワンマイル」を強みとした物流サービスで確固たる地位を早期に確立することが重要としている。

そのため、業務提携やM&Aを積極的に実施し、小口輸送ネットワークを構築。フォワーディング、ロジスティクスの機能強化をスピーディーに推進しており、今回の業務資本提携もその一環と見られる。

GD Express Carrier Bhd. のロゴ

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