瀧川 正実 2016/8/18 10:00

ピーチ・ジョンは実店舗にIoT(アイオーティー、モノのインターネット化)の仕組みを導入し、購買行動をビックデータ化して消費者行動を販売に活用する取り組みを始める。

8月中旬から、ルミネ2新宿店、新宿3丁目店の2店舗に店舗IoTプラットフォーム(詳細なデータ解析を可能にするカメラとソフトウェア)を導入。入店率、顧客属性、購買率などの情報を収集・分析し、販売効率のアップと顧客満足度の向上につなげる。

ピーチ・ジョンは通販・ECだけではなく、実店舗における顧客体験の満足度向上が今後の成長には重要だと判断。IoTの導入でさらなる顧客感動の追及をめざすとしている。

店舗IoTプラットフォームは、ビデオ分析機能や携帯デバイスのWi-Fi検出機能、POS(販売時点情報管理)データ連携などの情報源を活用。消費者がどのように店舗を利用していのるか把握できるようにするもの。

店舗IoTプラットフォームの導入によって、ピーチ・ジョンが把握できるようになるのは次の消費行動などに関する情報。

  • 入店客の性別や年齢の識別
  • 顧客の属性
  • 購買した人・しない人が店内をどのような導線で動いたのか、どの棚の前で何秒滞在したのか
  • 販売員と接する時間
  • 試着する人の割合
  • 購買率

ピーチ・ジョンはこうした情報を細かく把握することが可能になる。集計したデータをもとに、ビジュアル・マーチャンダイジング(VMD)や商品の棚割り、接客方法の改善、販売員のシフトに反映していく。

ピーチ・ジョンが店舗に、米リテールネクスト社のIoT(アイオーティー、モノのインターネット化)の仕組みを導入

入店客の性別や年齢の識別などが行えるようになる(画像はリテールネクスト社の動画を編集部がキャプチャ)

導入するのは店舗分析大手の米リテールネクスト社が有する店舗IoTプラットフォーム。リテールネクスト社は300社以上のグローバル小売ブランドに対し、店舗内各種データの計測、コスト削減、売上アップ促進のための支援などを行っている。

ファッション関連では、ブルーミングデールズ、シアーズ、アメリカンアパレル、ラルフローレンなどで導入実績がある。導入店舗は初年度で、売り上げが平均6~8%伸びているという。

日本ではTSIホールディングスが米リテールネクスト社の店舗IoTプラットフォームの導入を決定している。

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