天猫国際の「TP(Tmall Partner)」とは? 日本企業が知っておくべきTPの評価基準とは?
アリババが先日、天猫国際(Tmall Global)の出店企業をサポートする運営代行企業「TP(Tmall Partner)」の評価を初めて公表しました。今回はこの「TP」について解説します。
天猫国際への出店にはTPを付けることが義務付けられています(基本的には運営開始時にTPを決定しなければ出店自体ができない規定になっています。一部大手企業などは内部で運営できる機能を持っている場合といったケースはTPを付けないという例外もあります)。
当社は2014年からTPとして認定されており、今回の発表では日本企業として唯一、最高評価の12点(5スター)をいただきました。
TPを知っておいた方が良い理由
今回発表されたのは105社。すべて天猫国際の運営代行を行っている中国企業や日系企業、その他海外資本の企業です。
しかし、手続きをちゃんと行っていない小さなTP企業などもあるため、そういった企業を入れると、TPを名乗る企業は私の感覚では200社以上あると思います。
TPに認定されていないサポート会社には注意をしましょう。非認定のTPはTmall側とやり取りすらできません。たとえば、非認定のTPを付けてしまうと、キャンペーンや新商品の登録など、運営がほぼできない状況に陥ります
ちなみに、非認定なのにTPを名乗ってる会社が運用をサポートした場合、モール側は出店企業に対して運営会社の変更を促され、最悪、退店処置などがあると聞いています。
中国向け越境ECや中国ECを行う場合、日本の企業は物流業務や運用全般など、さまざまな業務をTPにアウトソーシングしているケースが多いです。
では、TPの概要やTPの評価項目がどんなものなのか、ご紹介します。
TPの概要
評価方式
点数方式(満点12点)
※同時に星(アスタリスク)の評価もあり(5点満点)
評価企業数
105社
TP認定の必要条件
① 越境ECの経験があること
② マルチリンガルチームであること
③ 経営的な視点とITリテラシーがあること
④ 越境ECの物流経験があること
TP認定・その他条件
⑤ 海外企業に対してビジネスの遂行能力があること
⑥ 海外(中国以外の国)にオフィスを持っていること
⑦ 海外(中国以外の国)に何らかの倉庫機能を持っていること
企業の種類
天猫国際の運営を行っている中国企業や日系企業、その他海外資本のグローバル企業
TPの評価項目
今回の評価項目は、運営力(売上実績)、顧客対応力、天猫国際の規定に違反していないかという項目でした。
運営力(売上実績)
① 店舗数
3店舗以上 :2点
1〜2店舗:1点(1年以上の場合はさらにプラス1点)
② 店舗の月平均売上
TPが運営している全店舗の上位30%以内:3点
30%〜50%:2点
50%〜70%:1点
③ キャンペーン売上(独身の日など、S級のキャンペーンの売上)
TPが運営している全店舗の上位30%以内:3点
30%〜50%:2点
50%〜70%:1点
④ 一定期間で店舗の売上目標を達成できなかった場合:1点
⑤ キャンペーンにおけるTPの対応遅れや申請遅れ:−1点 〜 −6点
⑥ TP側の問題で大きなキャンペーンに参加できなかった場合/店舗や天猫国際からのクレームがあった場合:−1点 〜 −6点
顧客対応力
- 商品とページ記載内容の整合性
- 店舗サービス
- 物流サービス
上記3つの評価点数が3項目が平均以上:3点
2項目が平均以上:2点
返金率が上位10%:−1点
天猫国際の規定の順守
① TPと店舗が契約期間内、契約期間終了であっても店舗側が他のTPと契約し直した場合:−2点
② TPと店舗側の契約期間終了後、店舗側が天猫国際から撤退した場合:−2点
③ TPと店舗が契約期間中、店舗の売上が芳しくなく、天猫国際の契約更新ができない場合(専売店):−2点
④TPと店舗が契約期間中、店舗の売上が芳しくなく、天猫国際の契約更新ができない場合(旗艦店):−6点
⑤ 天猫国際の規定に対する違反により、店舗を閉店させてしまった場合:−12点
⑥ 他の越境ECサイトに出店している天猫国際の推薦ブランドの運営を、同じTPが行っている場合:−12点
(ただしTPが自分で営業して獲得した店舗に関しては問題なし)
⑦ TPの発言で天猫国際に悪影響を与えた場合:−12点
なかなか細かい評価項目になっていますね。 TPに業務を委託する場合は、こうした評価についてTPに確認することで、しっかりと事業を展開できると思います。