購買率が3倍になったAI画像解析レコメンドを三陽商会がECサイトに導入

サイト訪問者が閲覧している商品とイメージが近い商品を、自動で表示する

渡部 和章

2018年7月20日 6:00

三陽商会はこのほど、画像解析技術を活用した商品レコメンドシステムを直営ファッションECサイト「SANYO iStore(サンヨー・アイストア)」に導入した。サイト訪問者が閲覧している商品に類似した商品を自動で表示する。

試験導入で購買率が約3倍

三陽商会が導入したレコメンドシステムは、サイジニアが提供している「デクワス.VISION」。ユーザーが閲覧している商品画像を人工知能(AI)が分析し、イメージが近い商品を表示する。

三陽商会はこのほど、画像解析技術を活用した商品レコメンドシステムを直営ファッションECサイト「SANYO iStore(サンヨー・アイストア)」に導入

閲覧中の商品に類似した商品を自動表示する

サイジニアによると、「SANYO iStore」に「デクワス.VISION」を試験的に導入したところ、「デクワス.VISION」を利用した際の購買率は使用しなかった場合の約3倍に高まったという。

三陽商会は「デクワス.VISION」を導入した経緯について、次のようにコメントしている。

ECサイト内での商品提案力の向上を目的に、サイト内での新たなサービスをいろいろ検討していたなか、行動分析型の従来のレコメンドではない「AI画像解析レコメンド」というサイジニア社の「デクワス.VISION」が候補にあがり、テスト導入時の画像解析の精度も非常に高かったので導入を決定しました。(三陽商会・企業広報グループ)

また、三陽商会は「デクワス.VISION」を導入した狙いについて、「購買履歴や閲覧履歴ではなく、お客さまが『今見ている商品に近いイメージの商品』をレコメンドすることで、(事業者目線でない)顧客目線での”商品提案力の向上”を狙っています」(同)としている。

ファッションEC業界では、画像認識技術を活用した商品レコメンドが活発化している。ファストファッションのECサイト「SHOPLIST.com by CROOZ」を運営するクルーズは2018年3月、「デクワス.VISION」を導入。2017年12月にはマガシークがアプリに画像認識による商品提案機能を実装した。

三陽商会のEC事業は右肩上がり

三陽商会のEC売上は右肩上がりを続けている。2017年12月期のEC売上高は前期比約20%増の50億円。その内、自社ECは37億円、外部のECモールが13億円。

2018年12月期のEC売上高は65億円を計画。自社ECは45億円、外部のECモールは20億円を見込む。

三陽商会のEC売上高の推移 2018年12月期のEC売上高は前期の約50億円から65億円に拡大
三陽商会のEC売上高の推移(画像は編集部が2018/2/14公表の資料をキャプチャ)

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