越境ECのビィ・フォアード、売上高42%増の570億円で過去最高
中古自動車などを扱う越境ECサイト「beforward.jp」を運営するビィ・フォアードは9月6日、2018年6月期決算における売上高は前期比42.5%増の570億3577万円だったと発表した。増収決算は3期ぶり。通期売上高としては過去最高を更新した。
主力商品である中古車の輸出台数が、同33.5%増の15万436台へと大幅に増加。一部の国では中古車輸入規制を強化する動きがあったものの、全体としては回復基調にあったという。
アフリカにおける販売台数は同39.4%増の8万1538台で、販売全体の54.2%を占めた。オセアニアや中央アジアの販売台数の伸び率は同10%を超えた。
業績拡大に伴い、社員数を同29人増の206人に増やした。創立来初めて新卒採用を実施し、2018年4月に6人の新卒社員が入社している。
2019年7月期の売上高計画は40.3%増の800億円。主要取引先であるアフリカをはじめ、新興国経済の緩やかな回復が見込まれることから、中古車の輸出台数は32.9%増の20万台を計画している。
2018年6月期における重点施策の成果
数年前から取り組んできた「現地基盤の強化」「三国間貿易の強化」「取扱い商材の多様化」に関する2018年6月期の実績は次の通り。
「現地基盤強化」
海外で通関サービス、購入代金の日本への送金サポート、輸入書類手続きのサポート、港から最寄りの都市までの配送サービスなどを手がけているエージェントオフィスを増やした。
ガーナ、パラグアイ、ドミニカ共和国など新たに6か国で公式エージェントオフィスがオープン。提携社数は17社増の46社となった。現地の店舗数は26店舗増の63店舗。2019年6月期は100店舗に増やす計画。
「三国間貿易の強化」
2017年7月、韓国の総合金融グループKBキャピタルと業務提携し、韓国での中古車の仕入れを本格化した。韓国在庫は2018年6月時点で1万台以上。年間2347台(当会計年度)を韓国から輸出した。
韓国と同様の取り組みをシンガポール、タイ、UAE、ジョージア、オランダ、ドイツでも行っている。車両掲載の海外比率は2018年6月時点で57.1%(前年同月は2.8%)。
「取扱商品の多様化」
2015年に販売を開始した中古自動車パーツの掲載点数を拡充した(2018年8月28日時点で約112万点)。2014年から試験的に販売してきたスマートフォン、ノートパソコン、カメラ、腕時計といったエレクトロニクス商品の取り扱いも本格化。中古農機具、中古複合機、家電製品、古着なども品ぞろえに加えた。
ビィ・フォアードは近年急成長
ビィ・フォアードは2004年設立。売上高は2009年時点で12億円にとどまっていたが、その後、34億円、87億円、187億円、356億円、492億円、428億円、400億円(2016年度)と事業を拡大。
米国のソフトウェアベンダーの調査資料では、アフリカにおいてビィ・フォアードが高いシェアをとっていると指摘している。