中国直販EC大手「JD.com」の取扱高は約2.2兆円(1364億元)を突破、過去最高を更新中
中国で始まったネット通販の買い物の祭典「独身の日」(W11、ダブルイレブン)で、「JD.com」運営の中国直販EC最大手「京東集団」が展開しているキャンペーン期間中の取扱高が、11月11日14時42分に1364億元(日本円で2兆1824億円、1元16円で換算)に達した。
11月11日9時36分に2017年実績の1271億元
11月11日9時36分に2017年実績の1271億元(日本円で2兆336億円、1元16円で換算)を突破した。2017年実績を過去最速のペースで上回った。1000億元突破は11月10日の22時
京東集団が展開する「独身の日」キャンペーンは11月1日から11月11日まで。1000億元(日本円で1兆6000億円、1元16円で換算)の達成はスタートから10日後となる11月10日22時56分。なお、京東集団の2017年におけるキャンペーン期間の取扱高は1271億元(当時のレートでは日本円で2兆1607億円、当時のレート1元17円換算)。2018年はハイペースで取扱高が拡大している。
なお、アリババグループの取扱高は、スタートから8時間8分52秒後の11月11日8時52分で1207億元(日本円で約1兆9312億円、1元16円換算)に達している。京東集団がアリババグループの取扱高に肉薄している状況だ。
JDとアリババで異なる「独身の日」の仕組み
京東集団が展開する「独身の日」キャンペーンは11月1日から11月11日まで。アリババグループが11月11日を「独身の日」キャンペーンとして展開するが、京東集団は11日間を対象としている。キャンペーン期間中である11日間に決済された金額が取扱高となる。
京東集団では決済終了後、すぐに自社物流である「京東物流」を通じて、当日配送、もしくは翌日配送といったスピード配送で商品を購入者に届けている。
アリババグループと京東集団のセールの仕組みはそれぞれ異なる。アリババグループはこれまで、11月11日の約1週間前から予約注文を開始していたが、2018年は10月20日から中国国内向けECモール「天猫(Tmall)」で約50万商品の事前予約をスタート。なお、決済は「独身の日」当日に行われる。
また、前日などに買い物カゴへ商品を入れておいたまま、「独身の日」に決済するという消費者も多い。そのため、11月11日の「独身の日」当日に決済が集中し、スタート当初に取扱高は急拡大する。
商品配送は決済終了後の11月11日以降に行われる。関係者によると「事前予約制度のため、予約していたことを忘れており、注文をキャンセルする人も多い」と言う。
特筆する点として京東集団は2018年、オンラインとオフラインの融合をめざす新しい小売概念「ボーダーレスリテール」を推進している。従来のWebに加え、リアルからの誘導も強化している。
たとえば、事業提携しているインテリア・家具販売などの曲美家居集団とは実店舗とECサイト(JD.comに出店)で連携。実店舗では「独身の日」キャンペーンの告知を大々的に行うなど、リアル店舗との連携も進めている。
11月11日9時時点で3.2兆円が決済
アリババグループの取扱高はスタートから2分5秒で、100億元(日本円で約1600億円、1元16円換算)を突破。1時間47分26秒で1000億元(日本円で約1兆6000億円、1元16円換算)に達している。
11月11日9時時点で判明している限り、大手2社の取扱高合計で2000億元(日本円で約3兆2000億円)が決済されている状況になる。
なお、日本のECで1位の取扱高を誇る楽天の2017年度(2017年1~12月期)国内EC流通総額は3兆3912億円。中国の大手2社は「独身の日」途中で、楽天が1年間で流通させた取扱高に迫る数値を記録した。