中国EC大手2社で5兆円を売った「独身の日」2017年の振り返り&2018年の展望
ネット通販の買い物の祭典「独身の日」(W11、ダブルイレブン)が間もなく中国で始まる(厳密には、JD.comは11月1日からキャンペーンをスタート)。2017年は中国大手ECサイト2社の合計取扱高だけで2953億円(5兆201億円、1元17円換算)に達した。2018年11月11日の「独身の日」を前に、2017年の状況を振り返る。
【2017年】アリババは2.8兆円、JDは2.1兆円の取扱高
アリババグループが2017年11月11日に記録した取扱高は1682億元(日本円で約2兆8594億円、1元17円換算)。伸び率は39.3%。
直販EC最大手であるJD.comの取扱高は1271億元(日本円で2兆1607億円)。2016年は401億元だったため、前年比約3倍と躍進した。
両社は「独身の日」キャンペーンを展開しているものの、セールの仕組みはそれぞれ異なる。アリババは11月11日の約1週間前から予約注文を開始し、「独身の日」当日に決済を行う仕組み。また、前日などに買い物カゴへ商品を入れておいたまま、「独身の日」に決済するという消費者も多いという。
その結果、11月11日の「独身の日」当日に決済が集中するため、スタート当初にアリババグループの取扱高は急拡大する。
一方のJD.comは11月1日~11日を「独身の日」キャンペーン期間と設定。その11日間に決済された金額が取扱高となる。
2017年の国別取扱高は日本がトップ
ここからは、アリババグループの「独身の日」における実績を見ていきたい。
アリババの発表によると、国別の取扱高ランキングで日本は1位、2位はアメリカ、3位はオーストラリア。取扱高の上昇率ランキングでは1位がシンガポール(240%)、オーストラリアが2位(130%)、日本は3位で112%。
日本企業の取扱高ランキングは、1位が花王、2位はmoony(ユニチャーム)、3位は雅萌(ヤーマン)、4位はrefa(MTG)、5位はutena(ウテナ)。
アプリ市場の調査などを手掛けるApp Annie(アップアニー)は、2018年の「独身の日」において、アリババグループの取扱高は320億ドル(約3兆6000億円、1ドル=113円換算)を突破するとの予測を公表している。
2018年で10回目を迎えるアリババグループの「独身の日」は、中国と世界各国から18万のブランドが参加。「天猫国際(Tmall Global)」には75か国・地域から3700種類の商品が販売されるという。
アリババグループで東南アジアの大手EC会社Lazadaは、シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6か国で初の「11.11ショッピングフェスティバル」を開催する。
「JD.com」を運営する京東集団は、創立記念セール「京東618」で、6月1日~18日までの取引額は1592億元(約2.7兆円、前年比32.8%増)を記録た。2017年の「独身の日」では驚異の成長率を記録したJD.comがどれだけ取扱高を伸ばすことができるか。
11月11日の大規模セールは2日後に始まる。