瀧川 正実 2018/6/20 6:00

中国直販EC最大手のECサイト「JD.com(京東商城)」を運営する京東集団が6月18日までに行っていた大規模セールイベント「京東618」で、1~18日までの取引額は前年比32.8%増の1592億元(約2.7兆円)だった。

2017年の「京東618」の取引高は1199億元で、日本円ベースでは約1.9兆円。昨年と同様(2017年は37%増)に30%台の高い成長率を維持した。6月18日は京東集団の会社創立記念日。毎年6月に大規模セールイベントを行っている。

「JD.com(京東商城)」を運営する京東集団が6月18日までに行っていた大規模セールイベント「京東618」で、1~18日までの取引額は前年比32.8%増の1592億元(約2.7兆円)だった

JD社内で公表された「京東618」の取扱高

中国で有名なネット通販の買い物の祭典「独身の日」(W11、ダブルイレブン)では2017年、アリババグループの取扱高(GMV)は1682億元(日本円で約2兆8594億円、1元17円換算)。JD.comの「独身の日」キャンペーンの取扱高は1271億元(日本円で2兆1607億円)だった。

なお、日本国内に目をむけると、楽天の2017年度(2017年1~12月期)国内EC流通総額は3兆3912億円。ネッ担編集部の推計によると、2017年の「Amazon.co.jp」の流通総額は少なくとも2兆円超。2018年3月期におけるヤフーのeコマース国内流通総額は2兆1000億円。

「JD.com(京東商城)」を運営する京東集団が6月18日までに行っていた大規模セールイベント「京東618」で、1~18日までの取引額は前年比32.8%増の1592億元(約2.7兆円)だった

過去最高の取扱高を記録した

2018年「618」キャンペーンのトピック

商品を顧客に届ける「ラストワンマイル」を自社で手がけるJD.comによると、キャンペーン期間中の注文当日もしくは翌日に配送が完了したのは注文全体の9割超にのぼったという。

膨大な注文や問い合わせへの対応については、本格導入した人工知能(人工知能)搭載のAIサポートサービスが24時間対応。チャットボットでの問い合わせ約1600万件の内、87%をAIサポートサービスが解決したという。

AIサポートサービスは、JD.comが独自開発した感情分析システム「NeuHub」に基づき、消費者の感情を正確に識別。「親切で心の行き届いたサービスを提供することができた」(広報担当者のJD.com京東日本・張云澤さん)。AIサポートサービスの導入によって、顧客満足度は57%上昇したとしている。

2018年は、荷物の持ち運び負担を軽減するための配送スタッフ向けパワースーツの整備、無人配達車などの活用(無人配達車は最大30個の配達用の箱を搭載し、最速15キロの速度で荷物を配達する)を進めたという。

また、中国ではサッカー熱が高まっており、自宅でお酒を飲みながら「FIFAワールドカップ」を観戦する人が多かったようで、「サッカーを見ながらザリガニ料理を食べる人が多かったのではないか」(JD.com京東日本・張云澤さん)。キャンペーン期間中、ザリガニは累計3373万匹も売れたという。

取扱高は前年比32.8%増の1592億元(約2.7兆円)を記録したJD.comの創立セールでは、ザリガニが3373万匹も売れた

「JD.com」では多くのザリガニが販売されていた(画像は編集部がキャプチャ)

また、不動産販売も行っており、南太平洋にあるバツアヌの「珊瑚礁島」が最終価格1250万元で落札されたとしている。

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