3.4兆円の取扱高が生まれたアリババ「独身の日」、楽天の年間流通総額を1日で抜く
中国で行われたネット通販の買い物の祭典「独身の日」(W11、ダブルイレブン)で、中国のECプラットフォーム最大手の阿里巴巴集団(アリババグループ)の取扱高(GMV)が、過去最高となる2135億元(日本円で3兆4160億円、1元16円換算)を記録した。
日本のEC市場で取扱高トップである楽天の2017年度(2017年1~12月期)国内EC流通総額は3兆3912億円。「独身の日」1日で楽天の取扱高を上回る取引が行われた計算になる。
アリババによると、2018年は消費者の40%以上が国際ブランドから商品を購入。ダイソン、キンドル、エスティローダー、ロレアル、ネスレ、ギャップ、ナイキ、アディダスなど237のブランドは流通総額が1億元を超えたという。
なお、販売国上位はトップが日本。米国、韓国、オーストラリア、ドイツが続いた。
2018年も大きく取扱高が伸長した理由としてアリババがあげたのがオンラインとオフラインの融合をめざすO2O戦略「ニューリテール」(新小売)。アリババグループの生鮮スーパー「盒馬鮮生」(ファーマーションシェン)では多数のプロモーションを展開。アリババとのパートナーシップ「Ling Shou Tong」関係にあり、「Tmall」にも出店しているパパママショップ約20万店舗でもオンライン販売プロモーションを行い、実店舗からオンラインへの誘導などにつなげた。
【2018年「独身の日」の取扱高推移】
- 2分5秒で100億元
- 28分41秒で520億元
- 35分17秒で571億元
- 57分56秒で666億元
- 1時間16分で912億元
- 1時間47分で1000億元
- 6時間4分で1111億元
- 8時間8分で1207億元
- 12時間8分で1500億元
- 15時間49分39秒で1682億元
アリババグループの2018年の「独身の日」概要と戦略
アリババグループはこれまで、11月11日の約1週間前から予約注文を開始していたが、2018年は10月20日から中国国内向けECモール「天猫(Tmall)」で約50万商品の事前予約をスタートした。なお、決済は「独身の日」当日に行われる。
また、前日などに買い物カゴへ商品を入れておいたまま、「独身の日」に決済するという消費者も多い。そのため、11月11日の「独身の日」当日に決済が集中し、スタート当初に取扱高は急拡大する。
2018年で10回目を迎えるアリババグループの「独身の日」は、中国と世界各国から18万のブランドが参加。「天猫国際(Tmall Global)」には75か国・地域から3700種類の商品が販売した。
アリババグループで東南アジアの大手EC会社Lazadaでも買い物キャンペーンを展開。シンガポール、マレーシア、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムの6か国で初の「11.11ショッピングフェスティバル」を開催していた。