ディノス・セシール、AI音声認識による自動応答受注システムの開発に着手

電話注文が多いテレビ通販において、注文対応の効率化に活用する。2019年春に稼働を開始する予定

渡部 和章

2018年11月22日 14:00

ディノス・セシールは11月20日、人工知能(AI)の音声認識技術を活用し、通販コールセンター向けの自動応答受注システムを開発すると発表した。電話注文が多いテレビ通販において、注文対応の効率化に活用する。2019年春に稼働を開始する予定。

産業技術総合研究所の認定ベンチャーであるHmcommと共同で開発する。ディノス・セシールによると、AIが会話することによって電話受注を受付・完了する、通販コールセンターに特化したシステムの開発は日本初という。

自動応答受注システムは、テレビ通販のシナリオに沿って開発する。Hmcommが開発したAI音声認識コンタクトセンターシステム「VContact」に、自動応答機能を搭載。ディノス・セシールがコールセンター運営で培ったノウハウや経験、データなどを提供するという。

最終的には、AIが顧客と会話することで、受注の受付から完了まで行える仕組みを目指す。将来的には、検索や提案機能などの開発も検討し、「カンバセーショナル・コマース」も視野に入れるとしている。

ディノス・セシールは、人工知能(AI)の音声認識技術を活用し、通販コールセンター向けの自動応答受注システムを開発する
コールセンターでの顧客対応概念図

通販番組放送中の注文集中に対応

ディノス・セシールが「ディノス」で展開するテレビ通販では、番組放映中にコールセンターへの電話が集中し、コミュニケーターと電話がつながらない場合もあるという。自動応答受注システムを開発することで、こうした事態を緩和する。

ディノス・セシールの全社売上高は1138億円(2018年3月期)。通販新聞によると、通販事業の売上高は1065億5400万円で、通販事業のうちテレビ通販は129億2200万円。

Hmcommは、国立研究開発法人産業技術総合研究所発のベンチャー企業。主要技術はディープラーニング音声認識処理、自然言語処理、自動要約処理。

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