アスクルが自社物流・配送網の外販を本格展開、全社的な配送コスト低減めざす
アスクルは外部企業向けのフルフィルメント受託などを本格化する。外部企業の入荷から検品、保管、発送といった業務を受託。外部企業の物流業務をサポートすると同時に、取扱荷物の増加による規模拡大のメリットで全体的な配送コスト低減の実現をめざす。
アスクルは自社の物流拠点や物流網を他の企業に提供するシェアリング型の物流・マーケティングプラットフォーム事業「Open Platform by ASKUL(OPA)」を推進している。外部企業のフルフィルメント事業の受託はその一環。
「OPA」の本格展開に先駆け、ファッション通販や健康器具通販、飲料メーカー、ネット通販企業などのフルフィルメント事業を受託してきた。2019年12月以降、外販先による配送件数の増加をめざす。
フルフィルメント受託などを手がけるのは子会社のASKUL LOGIST。アスクルグループの物流業務受託がメインで、直接消費者へ手がける配送事業、他社のフルフィルメント事業の受託など担う。
アスクルのBtoC事業のメイン「LOHACO」の2018年5月期における売上高は前期比7.0%増の417億円。「LOHACO」の売上高、マーケットプレイス経由の取扱高、チャームの売上高を合算したした流通額は514億円だった。
「LOHACO」は利益改善ステージに入っており、2019年1月10日に配送料金を改定。配送料が無料になる注文金額の条件を、現在の「税込1900円以上」から「税込3240円以上」に引き上げ、基本配送料は350円から216円に値下げする。
メーカーやネット通販企業が参画する「LOHACO」のマーケットプレイスの流通総額は右肩上がりで拡大。手数料収入も増えている。
BtoB、BtoCを含めた全体の配送件数は増加傾向で、さらなる成長のためには配送コスト低減は必要不可欠。梱包サイズ適正化、大手配送会社拠点への荷物持込といった短期策のほか、長期的な視点で、「OPA」による物流シェアリングで全社的な配送コスト低減につなげる。