米国カンファレンスレポート

小売はエクスペリエンス企業になるべき――米国では何が起きている? IRCE&NIKE旗艦店などで見たEC最新トレンド

IRCE2019@RetailX(シカゴ)、NIKEの旗艦店 & NYの新名所「Hudson Yards」視察記

川連 一豊

2019年9月1日 8:00

2019年6月25日から28日の4日間、シカゴのマコーミックプレイスで開催された「Retail-X」。今回は、EC業界ではお馴染みのインターネットリテイラーのための勉強会&展示会「IRCE」と、RFIDについてのイベント、さらに小売デザインやテクノロジー、店内マーケティングのためのイベントである「GlobalShop」という、3つのカンファレンスを統合したイベントになりました。

ECは小売に飲み込まれた

Retail-X WELCOME
主催者側の発表では来場社は2万人以上とのこと

4日間参加した率直な感想は「ECが小売に飲み込まれた。ついに来てしまったな……」ということです。キーノートはECテクノロジーというより小売業向けにアレンジされおり、セッションはより実務寄りの内容になっていました。

Retail-Xカンファレンス客席のようす

ドローンやIoT、VRといった最新テクノロジーは一部のみ。「イノベーションバレー」というテーマということで、派手さはなくちょっと物足りない感じがありました。バルセロナで行われていた「Mobile World Congress 2019」の方は、5Gがメインということもあり、先進的な印象です。

Retail-X展示ゾーンの様子
会場が昨年の2倍以上になり、歩く距離も2倍以上に

気付いたことは、言いやすいのか「オムニチャネル」というキーワードが復活していたこと。InstagramなどSNS関連は変わらず。Linkedinが少しだけ目立っていました。Pinterestは展示はなくてセッション1つのみ。しかも人気のキーノートの裏側で寂しい印象でした。

Retail-XのAmazonコーナー
アマゾンは強過ぎ。セッションの数も展示も多過ぎ
Retail-XのAIのコーナー
AIについては普通にセッションや展示が行われていました。AIを使ったマーケティングで売上をアップしている事例も
Retail-XのRFID「TORY」の展示
RFID関連はとても面白い。棚卸しロボットやハンガーRFIDなどが出ていた
Retail-X プロジェクター
なんだがわかりづらいけど、実は展示を兼ねたプロジェクター
Retail-X OUTFORM
RFIDの展示から。商品を手に持ったり特定のスペースに置いたりすると、サイネージに商品説明が表示される

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