「世界のEC市場は2014年に1兆5046億ドル規模へ」~IRCE責任者が語った今後のEC
世界最大規模のEC専門カンファレンス&展示会「IRCE(Internet Retailer Conference&Exhibition)」の責任者、クレイグ・ドゥーリー氏が来日し、9月17日に会見を行った。クレイグ氏はアジア(香港)で初めて開くIRCEアジアの概要、世界のEC市場の動向などについて説明した。
IRCE日本事務局で、EC支援を手掛ける、いつも.と共同で会見を行った。
クレイグ氏は、「IRCE」が世界展開を行うために自ら作成したプレゼンテーション資料(出典元はインターネット・リテーラー)を披露。それを基に今後のグローバルEC市場について説明した。
それによると、全世界における2014年のBtoCのEC市場規模は1兆5046億ドル(前年比20.2%増)に達する。「地域別では米国が11.8%増、中国は63.8%増、インドネシアは45.1%の伸び率で、日本は1ケタ台の7.1%にとどまる」とクレイグ氏は言及。2018年には全世界で6380億ドルがモバイル端末からECが利用されると説明した。
2014年にはアジア太平洋地域のEC市場が、これまで最も大きなEC市場だった北米を追い抜き、トップに出ると予想。2014年のEC市場規模はアジア太平洋地域が5252億ドル、北米が4826億ドルになる。3年後における2017年のEC市場規模は2兆3570億ドルになる見通しだ。
クレイグ氏は今後のECで重要な事柄を以下のように挙げた。
- スクリーンシフティングというもので、米国ではスマートフォンなどのマルチデバイスに対応したサイトを作るニーズが増えている
- お店でも電話でもネットでも、買いたい場所は客が選ぶ。店舗はオムニチャネルに対応しなければならない
- ソーシャル経由で商品が購入されており、消費者の購入意思決定の手伝いになっている。消費者が中心となっていくので、売り手の論理は通用しなくなっている
- フリクションレス・コマースという、ユーザーはその場で決済する必要がないサービスで、コマースの機能が裏側で動いているもの。日本では配車サービスの「UBER」が知られているサービス
11月19日~21日に香港で開く「IRCE ASIA 2014」についても言及。「(EC事業を手掛ける)会社の代表者などが講演する。どうやって課題に取り組んだのか、解決したのかということを共有することが勉強になる」とアピールした。
「IRCE ASIA 2014」では、「Rakuten TARAD.com」(楽天タイランド)の責任者、「eBay」のアジア地域責任者などが登壇。アジア地域で活躍するEC関連企業が講演を行うことが決まっている。