ファーストリテイリングが有明本部に「自社スタジオ」「新拠点のカスタマーセンター」など開設
ファーストリテイリングは、ユニクロの本部「UNIQLO CITY TOKYO」やジーユー本部などのグローバルヘッドクォーターが入る有明本部の4階を改装し、撮影スタジオ、Web制作専用ワーキングスペースなどを設置した。
ユニクロ、ジーユーなどのグループブランドが利用できる撮影スタジオを4月から本格的に稼働した。企業が独自所有するスタジオとしては5950平方メートルと日本最大級。写真や動画が撮影できる大型スタジオ、自然光でも撮影できるスタジオも開設した。
Web制作部門専用のワーキングスペースも設置し、最新の商品や着こなしの情報をデジタルに変換、いつでも顧客に情報として届けられる体制を整えた。
現在、山口本社内のカスタマーセンター拠点に加え、同フロア内にカスタマーセンターの新拠点を開設する。世界中から集まる顧客の声や要望をダイレクトに経営や本部社員に届け、リアルタイムに商品・サービス開発に活用する体制にする。
有明本部の改装後のレイアウトは次の通り。
- 6階:UNIQLO CITY TOKYO(ユニクロ本部)
- 5階:ジーユー本部、PLST本部
- 4階:撮影スタジオ(約5950平方メートル)、Web制作専用ワーキングスペース(約991平方メートル)、仮想店舗(標準店約1157平方メートル・大型店約1983平方メートル/各1店舗)、カスタマーセンター(991平方メートル)、その他、執務スペース、ホール、スポーツジムなど
- 3階:倉庫
- 2階:倉庫
- 1階:倉庫・搬入口
※1フロア 1万6528平方メートル
ファーストリテイリングは2017年春から、本格稼働している物流施設と一体型のオフィス「有明本部」を基点に、リアルとネットの融合を進め新たなビジネスモデルの構築を進めている。
情報製造小売業への変革をめざすその取り組みは「有明プロジェクト」と呼ばれており、顧客と店舗、本部、生産拠点、物流拠点などをITでつなぐことで、顧客を深く理解し、顧客が求めている商品だけを作り、最適な形で届ける仕組みをめざしている。
ファーストリテイリングの2020年8月期連結決算によると、国内ユニクロ事業のEC売上高は、前期比29.3%増の1076億円。実店舗を含む国内ユニクロ事業の売上収益は同7.6%減の8068億円。売上構成比は2019年8月期の9.5%から13.3%へ上昇した。
ジーユー事業の2020年8月期売上高は前期比3.1%増の2460億円。決算では通期のEC売上構成比を公表しており、それによると約9%。前期比約6割の増収だったという。EC売上構成比から算出したEC売上高は約221億円となる。