ユニクロのEC売上高が1000億超える勢い。コロナ禍で業績47%増
ファーストリテイリングが7月9日に発表した2019年9月-2020年5月期(第3四半期)連結決算によると、国内ユニクロ事業の3-5月期EC売上高は前年同期比47.7%増の281億だった。
中間期(2019年9月-2020年2月期)連結決算における国内ユニクロ事業のEC売上高は525億5000万円。第3四半期累計のEC売上高は約806億円となる。
2019年8月期連結決算における「国内ユニクロ事業」のEC売上高は前期比32.0%増の832億円。今期の第3四半期で前期実績に近いEC売上高に達しており、コロナ禍でEC需要が高まっていることを踏まえると、通期(2020年8月期)はEC売上高1000億円を突破する可能性が高い。
EC業界の専門誌『月刊ネット販売』が毎年実施しているEC実施企業の売上高調査では、一般消費者向け(BtoC)ECの年間売上高が1000億円を超えているのは、「Amazon.co.jp」「ヨドバシ.com」。セブン&アイ・ホールディングスが運営するグループ横断のECサイト「omni7(オムニ7)」、ビックカメラがグループのEC売上高として1000億円を突破している。
ユニクロのEC売上高は「国内ユニクロ事業」のネット通販売上。ジーユー事業、グローバルブランド事業でそれぞれECを展開しているが、EC売上高は公表していない。
デジタル広告やTVCMでECサイトへの誘導強化
国内ユニクロ事業の3-5月期売上高は前年同期比35.5%減。新型コロナウイルス感染症の影響で、大型店舗の臨時休業などにより、既存店売上が落ち込んだ。
デジタル広告やテレビCMでECサイトへの誘導を強化。アプリ会員特別限定価格のスタート送料し、新規顧客が大幅に増加したとしている。
3Qの売上総利益率は、同3.3ポイント改善の706億円。コロナ禍によって集客のための過度な値引きの抑制による値引率の改善、商品仕入為替レートの円高傾向による原価率の改善が寄与した。売上販管費比率は、大幅に減収となったことで同9.5ポイント上昇
ECの配送費は売上増加によって増えたものの、1件あたりのコストは低下し効率化が進んでいるという。
EC誘導のためのデジタル広告などを強化したものの、緊急事態宣言発出でチラシやテレビCMを削減したため、全体の広告宣伝費は減少したとしている。
なお、ジーユー事業の3QにおけるEC売上高は前年同期比で倍増。人気商品の欠品率改善、着こなし発見アプリ「StyleHint」の活用で、スタッフの着こなしをECサイトに掲載といた情報発信の強化が奏功したという。