1000億円の取扱高、ファッションEC市場のシェア3%をめざすロコンドの「長期ビジョン」
靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営しているロコンドは「2030年長期ビジョン」を発表、2030年度の取扱高1000億円をめざす方針を明らかにした。
2020年度までの5年間における取扱高のCAGR(年平均成長率)は27%成長。2030年度までの取扱高CAGRは17%成長とした。営業利益は100億円をめざす。
ロコンドの試算によると、2020年の国内ファッション市場におけるEC化率は約15%。10年後(2030年度)には現在の米国水準である30%前後まで拡大すると見込む。
EC化率が30%前後まで向上した場合、ファッションEC市場(衣料品、靴、バッグ)規模は3兆5000億円まで拡大すると予想。そのうちのシェア3%にあたる取扱高1000億円をめざすとしている。
なお、2030年度のファッションEC市場規模は、2019年のファッション市場規模11兆8000億円を母数として算出。ファッション市場全体は今後、横ばい傾向が続くことを前提としている。
ロコンドグループはEC事業のほか、ブランド公式ECの支援などを行う「プラットフォーム事業」や、店舗も含めて自社でブランド運営する「ブランド事業」がメイン事業。
「試着できる通販=ロコンド」「最大級の婦人靴の品ぞろえ」といったEC事業のほか、プラットフォーム事業、ブランド事業、それぞれの競争優位性を改善し続け、取扱高を拡大するとしている。
D2C事業が初年度で売上14.8億円など2021年2月期の業績
2021年2月期の取扱高は前期比12.7%の205億6400万円。売上高は102億7500万円で同19.8%、営業利益は14億3800万円(前期は8300万円の営業赤字)だった。
「主力とする靴については外出自粛などによりその需要自体が大きく減少」(ロコンド)したものの、Fashion walker(ファッションウォーカー)の完全子会社化、自社モールの強化、D2Cブランド商品の取り扱いなどが寄与した。
D2Cブランド商品の取り扱いについては、YouTuberヒカルさんと組んだD2Cブランド「ReZARD」の販売などをスタート。D2Cブランド事業の取扱高が初年度で14億8000万円となり、取扱高の拡大をけん引した。
営業黒字転換は広告費の抑制、広告のYouTubeシフトなどが要因。2020年2月期の広告関連費用は19億200万円だったが、2021年2月期は12億1600万円に抑制した。テレビCMはYouTubeへとシフトし、2020年2月期の6億6400万円から2021年2月期は1億1500万円に削減。YouTubeなどウェブ広告費用は厳格なROAS(広告費用対効果)管理で、前期比11.1%減の11億100万円にとどめた。