EC支援SaaS「ネクストエンジン」などのNEは12月2日、既存事業の競争力強化と将来的なコマース市場の価値創出を目的に、コーポレート・ベンチャーキャピタル(CVC)事業を本格的に開始したと発表した。
NEは6500社以上の事業者へSaaS基盤を提供し、年間1兆円超のEC流通を支えている。「コマースに熱狂を。」というパーパスの実現に向け、外部企業との共創が不可欠と判断。CVCを活用して革新的な技術やビジネスモデルを取り込み、既存事業の進化や新規事業創出、バリューチェーン全体の連携強化を進める。
CVC投資の基本方針と概要は次の通り。
- 投資形態:自己資本による直接投資(将来的にはファンド組成も検討)
- 投資目的:NEを起点とした共創エコシステムの拡張、パートナーとの協働による価値創出、既存・新規事業の加速、バリューチェーン強化
- 投資対象:NEと共創できるユーザー企業、周辺サービス・技術企業、事業パートナー、エコシステム構築に意欲を持つ企業・チーム
- 投資領域:熱狂と価値連鎖を生み出す事業領域。データ・プロダクト・オペレーションとの掛け合わせにより価値拡張が可能な領域で、国内外・モノ/サービスを問わない
- 年間投資目安:年間5件程度
特に「ネクストエンジン」を利用するユーザー企業の成長支援を重視し、新たな価値創出と事業拡大をめざす。周辺サービス企業との連携強化も進め、NEのバリューチェーンをより強固にしていく方針だ。
NEは2022年5月に設立、同年8月にHameeから「ネクストエンジン」を軸としたプラットフォーム事業を会社吸収分割により承継して事業を開始した。11月には親会社のHameeからのスピンオフし、東証グロース市場に株式を上場した。スピンオフ上場の理由について、「経営スピードと事業効率の最大化」「プラットフォーム事業の適正な評価の確保」「成長戦略の自由度向上」の3点をあげている。