鳥栖 剛[執筆] 9:30

Hameeの子会社で一元管理プラットフォーム「ネクストエンジン」やECコンサルティングなどのNEは11月4日、東証グロース市場に株式を上場する。親会社のHameeからのスピンオフ上場となる。

NEは2022年5月に設立、同年8月にHameeから「ネクストエンジン」を軸としたプラットフォーム事業を会社吸収分割により承継し事業をスタートした。スピンオフ上場の理由は、「経営スピードと事業効率の最大化」「プラットフォーム事業に対する適正な評価の確保」「成長戦略の自由度の拡大」の3点をあげている。

Hameeの子会社で一元管理プラットフォーム「ネクストエンジン」やECコンサルティングなどのNEは11月4日、東証グロース市場に株式を上場
「ネクストエンジン」の概要(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

Hameeによると、コマース事業とプラットフォーム事業という質の違う2つの事業成長を最大限に担保するため、意思決定プロセス単純化、労働環境、給与水準などをそれぞれの事業に合わせる必要があると判断したという。

現組織体制では全体最適が優先されるため、課題の根本的な解決が困難になっていると指摘。取り得る選択肢の自由度が担保されず、成長戦略の実現に影響が生じる可能性があるという。スピンオフでHameeとNEが適正な制度と迅速な意思決定を採用できるようにすることで、事業成長速度と資源効率の向上が期待できるとしている。

ECや卸販売の売上比率が高いHameeに対する市場からの評価はコマース企業の側面が強い。これにより、プラットフォーム事業に対してSaaS企業としての市場評価が適切に反映されず、株主価値を最大限に発揮できていないと判断。スピンオフにより、HameeとNEがそれぞれ適切な評価を得られるとしている。 スピンオフに際してHamee株主に対して、NEの株式を現物配当で交付。スピンオフ時点でHamee創業者の樋口敦士氏の資産管理会社であるAOI、樋口氏が発行済株式の過半近くを握る筆頭株主になる。なお、NEは2026年4月期第3四半期からHameeの連結から外れる。

新規上場申請のための有価証券報告者によると従業員数は129人、平均年齢は35.0歳、平均勤続年数は5.9年、平均年収は641万円。

NEの売上高は39億円、純利益は9.4億円

NEの2025年4月期の売上高は前期比4.2%増の39億2526万円、営業利益は同0.9%減の15億1756万円、経常利益は同4.0%減の15億2463万円。当期純利益は同9.0%減の9億4011万円だった。セグメント別ではネクストエンジン事業の売上高は同4.9%増の29億7049万円、セグメント利益は同11.7%増の19億3059万円だった。コンサルティング事業の売上高は同10.2%減の3億7285万円、セグメント利益は同33.5%増の7723万円。

ふるさと納税支援や伝統工芸品のEC販売などを手がけるロカルコ事業の売上高は同11.6%増の5億8148万円、セグメント利益は同1.3%増の1億4659万円だった。卸売マーケットプレイス「encer mall」などの「その他」事業の売上高は44万円、セグメント損失は1億6692万円(前期は1億459万円の赤字)だった。

2025年5−7月期(第1四半期)の業績は、売上高が前年同期比9.8%増の9億9345万円、営業利益は同1.9%減の3億5685万円、経常利益は同2.5%減の3億5670万円、四半期純利益は同0.1%増の2億3888万円。

セグメント別では「ネクストエンジン」事業が売上高は同6.1%増の7億9455万円、セグメント利益は同3.8%増の5億1273万円だった。コンサルティング事業が売上高は同55.1%増の1億3644万円、セグメント利益は同25.4%増の2232万円。ロカルコ事業は売上高が同7.7%減の6243万円、セグメント利益は2840万円の赤字(前年同期は222万円の黒字)だった。「その他」は売上高が同253.0%増の3万1000円、セグメント利益は1251万円の赤字(前年同期は3076万円の赤字)だった。

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