オリックスに株式を売却するDHC吉田会長が通販・EC会社を新設。手がけるのは“高速総合通販事業”で、500億円の増資を計画
ディーエイチシー(DHC)の吉田喜明会長兼社長が新会社を立ち上げた。社名は、「株式会社大手総合通販大和心設立準備室」。通販事業を行う。インフラ構築に向けた人材採用を行っており、2023年5月に本会社への移行を予定している。
新設した通販会社は“高速総合通販事業”
新会社は、2022年7月に設立。資本金は10億円。本会社への移行時には、500億円の増資を計画しているようだ。
役員は、代表取締役の吉田会長のほか、吉田こずえ氏(監査役)、長田信也氏(会計監査人)の3人。化粧品やサプリメント、食品、雑貨など幅広い商品のECを行う。
求人サイトによると、在庫を管理する倉庫を自動化・省人化した自動倉庫によるスピード配送を実現した“高速総合通販事業”を行うとしている。
事業拡大は「スピード重視」か。好待遇で人材募集中
11月時点で、15人の従業員が在籍している。うち一人はエンジニア。「スピード感のある事業拡大」を目標に、サイトや社内管理システムなどITインフラの構築を行う人材の採用を行っている。
ウェブデザイナー(年収680~1020万円)、システムエンジニア(同1105~1785万円)、インフラエンジニア(同850~1190万円)と好待遇で募集している。
DHCは2022年11月、オリックスが吉田会長から過半の株式を取得することにより買収すると発表した。取得価格は、1000億円以上としており、3000億円規模とも言われる。こうした中、吉田会長の今後の動向も関心を集めた。
吉田会長は、これまでDHCサイト上で在日韓国人や、マスメディアの左傾化に対する批判など政治的主張を展開。関連会社のDHCテレビジョンが配信する「真相深入り! 虎ノ門ニュース」は、保守層の受け皿にもなっていた。番組は、オリックスによる買収を受け、終了を発表した。
新会社が入居するビルは、そのDHCテレビジョンから目と鼻の先。住友不動産虎ノ門タワー20階にオフィスを構える。“大和心”のネーミングも、吉田会長の保守思想が強く反映されているようにみえる。
自動倉庫開発にも意欲。人材募集では「最先端技術用いたEC事業」もアピール
求人サイトによると、仕事の魅力は、「社内1人目のインフラエンジニアとして裁量をもって業務を進められること」「自動倉庫の開発を進めており、最先端の技術を用いたEC事業に関われること」「組織づくりや事業づくりにも携われること」。
求める人物像は、「明るくコミュニケーションが取れる方」「理解力があり、自走できる方」「裁量をもって業務を進めたいと考える方」としている。
通販新聞は新会社設立に関する取材を求めたが「控えさせてください」(同社)と応じてもらえなかった。
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