【値上げ調査】コスト上昇を企業が負担した割合は60%。4月に値上げ予定の小売業は6割
価格転嫁の実態は業種・業界や取引関係、消費者などとの関係で受ける影響が大きく、コスト上昇分の多くは企業が負担しているのが現状という
帝国データバンクが2022年12月に実施した価格転嫁に関する調査によると、自社の商品・サービスのコスト上昇に対して、企業の販売価格への転嫁割合を示す「価格転嫁率」は39.9%となった。企業負担は60.1%。
商品・サービスを価格転嫁できた理由を聞いたところ、コスト上昇の程度や採算ラインなど「原価を示した価格交渉」が45.1%で最多(複数回答、以下同)。
「取引先への価格改定の通知」(28.7%)「業界全体における理解の進展(25.8%)「日頃から発注者へのコストに影響しそうな情報共有」(24.2%)「業界全体における価格調整」(13.9%)が続いた。
業界別では、「製造」で「原価を示した価格交渉」が63.7%と他の業界より高い。「小売」では原価を示した価格交渉は難しく、2割程度にとどまっている。
小売業では、「取引先への価格改定の通知」が26.7%、「原価を示した科化交渉」が21.1%、「業界全体における価格調整」が21.1%などとなった。
2023年における自社の商品・サービスの値上げ予定(実績含む)を聞いたところ、多くの企業の年度始めである「4月」が42.8%で最高となった。
次いで、「1月」(28.1%)「5月」(26.5%)「3月」(20.6%)「2月」(20.2%)が2割台で続いた。2023年通年でみると、1月~5月に値上げが集中している。
業界別にみると、「製造」「卸売」「小売」はいずれも「4月」が最高。「小売」においては、「4月」の値上げが6割を超えている。
ただし、調査時点での値上げ動向のため、先行き不透明感が強まるなか、今後さらに値上げが行われる可能性もある。
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