「Quickest Eコマース」と「Ponta」がキーワード。KDDIとローソンがEC分野でめざすものとは?【ネッ担まとめ】
KDDIがローソンの経営に乗り出すことになりました。現段階では通信、モール、コンビニなどの連携がどうなるのかは未知数です。この先どう動くのかを見逃さないようにしましょう。
やっぱり「Ponta」がPoint?
KDDIがローソン経営に乗り出す理由は「スマホを売りたい……わけではない」dポイント・d払いやPayPayなど競合サービスの扱いはどうなる?(石野純也) | TechnoEdge
https://www.techno-edge.net/article/2024/02/08/2778.html
ECの拠点としてローソンを活用するといったこともありえます。ローソンは、「コロナ禍の中で冷凍食品やお惣菜を強化し、日常生活の中でもっと使っていただけるように進化してきた。この日常使いを大切にしながら、そこにQuickest Eコマースを導入したい」(竹増氏)といいます。物流拠点としてローソンを使うことで、「オーダーから(最短)15分で届く速さを武器に、Eコマースに参入したい」(同)という計画があるようです。
KDDIもEコマースとして、「au PAYマーケット」を運営しているものの、楽天グループの楽天市場や、ソフトバンク傘下のYahoo!ショッピングなどに比べると存在感が薄いのも事実。ここに、ローソンを活用したEコマースを加えることで、KDDIグループのECとして特徴を出していける可能性はあります。
「au PAYマーケット」がローソンを活用すれば他のモールとの差別化にはなるはず。売り上げの拡大につながるかは未知数ですが、モール、携帯電話、ポイントはそろっていて、コンビニというリアル接点も手に入れたのはアドバンテージになりそうです。
高橋氏も「せっかくこういう枠組みになったのでPontaは強化していきたい」と語っており、競合の排除ではなく、Pontaの魅力を高める方向でユーザーに選ばれるようにすることを示唆していました。こうした取り組みが実現すれば、Pontaを軸にした経済圏の強化も図れるかもしれません。
個人的にはここかなと思っています。前述のようにポイントでいろいろなサービスをつなげておかないとユーザーは使ってくれませんので、「Ponta」の魅力を高めることは必須ですね。「楽天市場」と「Yahoo!ショッピング」のポイント還元が強烈なので、「これらに対抗できるものを提供できるか」でしょうか。まだ発表があったばかりなので今後の動きに注目です。
関連記事に取り上げている「KDDIが楽天も買収したらどうなる?」の記事も面白いので読んでみてください。日本企業が世界に対抗できる夢のある記事です。
関連記事
KDDIが楽天を買収したらアマゾン超えも夢じゃない?ローソンTOBの「先」を予測してみた | ダイヤモンド・オンライン
https://diamond.jp/articles/-/338669
今週の要チェック記事
客単価が2倍=売り上げも2倍!はウソ? 事例に学ぶ売上の公式の「真実」とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11870
どこかが増えればどこかが減ります。都合のいいことばかりは起こらないと覚えておきましょう。
「隠れ機会損失」を解消して、売上アップを実現。CVRが変わる決済とEC・実店舗連携を事例とともに紹介 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11845
ある程度の売り上げが確保できたらこうして細かいところで底上げを。
ゆうパック「半日遅く」で私たちに起きる"影響" 2024年問題を間近に、積載率向上に少しは寄与? | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/732557
私のような昭和生まれにとっては昔に戻るだけのこと。そうではない人に向けてどう対応するのかがポイント。
思い切ってセールと広告を辞めたら、利益がV字回復。日本一を目指し、「本来やりたかった仕事」に邁進する日々へ!(株式会社一粒万倍・國末さん×川村・亀田対談) | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/240205-pika831/
今のことを続けながら新しいことって無理です。頭も体もそっちにとられますので。最初に何かをやめることから。
「楽天ラクマ」、リユース事業者の優秀ショップを表彰 ベクトルが「アパレル部門」2年連続1位 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/10734
1つの店舗で複数受賞が目立ちますね。ということはまだ参入のチャンスありということ。
ティームー 、広告費が1000%増に:集中的マーケティングの圧倒的規模「このような戦略は見たことがない」 | DIGIDAY
https://digiday.jp/modern-retail/ive-never-seen-anything-like-this-temus-ad-spend-soars-as-it-embarks-on-a-marketing-blitz/
同じく見たことも聞いたこともないです。ブルドーザーのように突き進む「Temu」。
アマゾン日本事業の売上高は約3.6兆円、ドルベースは260億ドルで6.6%増【Amazonの2023年実績まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11901
日本だけが一桁パーセントの増加。となると、日本の扱いが悪くなってくる可能性も…。
今週の名言
地方マーケを深掘りしたら、総合格闘技すぎた。桜井貴斗&蛭田一史に訊く「愚直で、土着」な話 | ホットリンク
https://www.hottolink.co.jp/column/20240207_114608/
マーケティングはそもそも、お客様に貢献するために存在します。お客様の役に立った結果、報酬をもらえるにすぎません。マーケターを名乗る以上、お客様の役に立つことをまず考えてほしいです。
その結果、リモートで働くことができるのならそれでも良いと思います。僕はそれができないから、現場に出ているわけで。目の前の人と真剣に向き合って、成果を出すための議論をしてほしいですね。
ネットショップもまったく同じ。お客さんの役に立つことを考えれば、実際にお客さんと話したり、外に出てお客さんの気分を味わったりすることが大切です。パソコンの画面だけを見ていても何もわからないですよ。
筆者出版情報
「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法
森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税
この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!
KDDIがローソンの株式公開買い付けを発表したのはご存じの通り。目的はたくさんあると思いますが、「ネットショップ担当者フォーラム」の連載なのでECだけにフォーカスしてポイントを取り上げます。
引用文にあるようにローソンはコンビニを拠点にした、日用品のクイックコマースを狙っているようです。コンビニは気軽に行ける範囲に建っていることが多いものの、「配達してもらえるならもっと楽」だと思う人は多いはずですし、まだまだ未開の分野です。