アマゾン日本事業の売上高は約3.6兆円、ドルベースは260億ドルで6.6%増【Amazonの2023年実績まとめ】
アマゾン日本事業の2023年(2023年1-12月)売上高は円ベースで3兆6662億8200万円だった(2023年の平均為替レートを1ドル=141円で換算)。米Amazonが公表した「年次報告書」などから、2023年のAmazon日本事業、米Amazonの状況をまとめた。
アマゾン日本事業の売上高推移(ドルベース)
日本事業のドルベースでの売上高は260億200万ドルで前期比6.6%増(2022年の日本事業売上高は243億9600万ドルで前期比5.7%増)。
アメリカ、ドイツ、イギリスといった売上高を公表しているエリアのなかで1ケタ増は日本のみ。2ケタ増収は2016年から2021年まで続いたものの、直近2年は1ケタ増収にとどまっている。全売上高に占める日本事業の割合は4.5%で、2022年比で0.2ポイントダウンした。
日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2023年中)の2023年平均レート「1ドル=140.59」を参考に、1ドル=141円で換算した場合、日本円ベースの売上高は3兆6662億8200万円となった。
2023年は一段と円安・ドル高が急伸したため、日本円ベースの売上高は大きく拡大した。なお、1ドル=131円で換算した2022年の日本円ベースによる日本事業の売上高は3兆1958億7600万円。
アマゾン日本事業の売上高は直販ビジネスのほか、第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入、定期購入サービス、AWS(Amazon Web Service)などが含まれる。
米Amazon、アマゾンジャパンともに流通総額は公表していないが、「Amazon」グローバル流通総額に占める販売事業者経由の割合は6割程度に達しており、日本も同様の流れにあると見られる。
全体の流通総額のうち第三者による販売は6割程度、手数料収入は平均して第三者販売額の約10%という推定を前提に、円ベースの売上高から「Amazon.co.jp」の流通総額を算出すると6~7兆円程度に達していると推測される。
グローバルの販売状況
2023年度(2023年1-12月)連結業績によると、売上高は前期比11.8%増の5747億8500万ドルだった
売上高の内訳は次の通り。
- 仕入れ商品などによる製品売上(直販売上、デジタルメディアコンテンツなど含む)→ 2318億7200万ドル(前期比前5.4%増)
- 第三者販売サービス売上など(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)→ 1400億5300万ドル(同19.0%増)
- 定期購入売上(サブスクリプションサービス売上)など(「Amazon プライム」の会員費など)→ 402億900万ドル(同14.2%増)
- AWS(Amazon Web Service)→ 907億5700万ドル(同13.3%増)
- 実店舗売上(主にホールフーズの売り上げ)→ 200億3000万ドル(同5.6%増)
- 広告サービス→ 469億600万ドル(同24.3%増)
- その他(クレジットカード契約などの売上高)→ 49億5800万ドル(同11.8%増)
地域別の売上高は次の通り。Amazon全体の売上高に対して日本事業が占める割合は4.5%。2022年比で0.2ポイント減った。
- アメリカ → 3956億3700万ドル(前期比11.1%増)
- ドイツ → 375億8800万ドル(同11.9%増)
- イギリス → 335億9100万ドル(同11.7%増)
- 日本 → 260億200万ドル(同6.6%増)
- その他 → 819億6700万ドル(同17.4%増)