アダストリアが開設した、アイテムの出品・購入ができる“ファッション特化型”メタバースプラットフォーム「StyMore」とは?
近年メタバース事業に力を入れてきたアダストリアがプラットフォームの運営をスタート。アダストリアがメタバース市場に見いだしている可能性とは?
アダストリアは、ファッション特化型のメタバースプラットフォーム「StyMore(スタイモアー)」を4月10日に開設した。参入企業の第1弾の企業として、サンリオとJR西日本コミュニケーションズが出店。今後、さまざまな事業会社や個人クリエイターに出店を募り、ファッション領域でのメタバース事業拡大をめざす。
個人のクリエイターや事業者はメタバースアイテムを「スタイモア―」に出品することが可能。ユーザーは出品されたデジタルアイテムを購入できる。購入代金のうち、個人クリエイターは7%、企業は10%をアダストリアの手数料とする。
「スタイモア―」で購入したデジタルファッションアイテムは、スマートフォンのアプリでアバターに着せ替えて、VRChat Inc.が運営しているソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」などのメタバース空間へ展開できる。
「スタイモア―」の特徴は次の通り。
- 専門性:アパレルECサイトのように直感的にファッションスキンを探せるデザイン
- テクニック:3DCGソフトがなくてもアバターの着せ替えができる。「VRChat」など4つのプラットフォームで展開可能。順次拡大を予定している
- 安心・安全:過度な露出、公序良俗に反するスキンは出品ができないなど、出店者の審査や、作品のクオリティチェックを設けている
- 取り扱い商品:IPや企業との提携を通じて、「スタイモア―」でしか買えないアイテムの販売を計画
アダストリアは2022年7月にメタバース事業を開始。これまで展開する8つのブランドのメタバースデジタルファッション(アバター用の洋服)の販売や、メタバースとライブコマースを組み合わせたライブショッピングといった取り組みを進めてきた。
「スタイモアー」を開設した理由は、アバター用のファッションの需要、メタバース市場の潜在性があること。デジタルファッションにはすでに需要があり、今後さらに拡大する可能性がある市場と見ている。
- デジタルファッションの需要
アダストリアによると、2022年に販売したオリジナルアバターは好評を得てきた。また、オリジナルアバターとは別に、そのアバターが身に付けるデジタルファッションや小物雑貨も販売している。その割合はメタバース全体の売り上げの約8割を占めており、デジタルファッションの需要があることがわかった。
- メタバース市場の潜在性
アダストリアが2024年2月に実施した調査によると、アバター関連商品への年間支出額を聞いた質問には「3万円~4万9999円」(18.3%)と答えた人と、「10万円以上」(18.3%)と回答した人が最も多かった。
アバター向け衣装の購入頻度を聞いた質問では「月に2~3回」(42.2%)と答えた人が最も多かったという。普段のリアルの洋服の購入頻度を聞いた質問には「2~3か月に1回」(34.3%)の回答が最多だったことから、リアルの洋服購入頻度より、メタバース向けアバター衣装の購入頻度の方が高いことが伺えたとしている。
「スタイモア―」の展開では、バーチャルイベントの支援サービスなどを手がけるGugenka社が支援している。
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