石田 麻琴[執筆] 8:00

「結局、AIが何とかしてくれる」――そう思っている人、ちょっと待ってください。「AIが勝手に素晴らしいものを作ってくれる」は妄想です。AIこそ人間の能力が試されるツールなのです。AI活用を考えるとき、頭に入れておきたい記事をピックしました。

生成AIの時代こそ「考える力」が大切

生成AI「使い手」の能力で大きな差が生まれる必然 | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/803965

しかし、事実は逆だ。生成AIがさらに発展していく中であっても、使い手である人間側の考える力がボトルネックになり、次のような5つの問題が人間側に残ってくる。

① そもそも、どんな指示・問いをAIに与えればいいかわからない(指示不全)

② 指示文が粗雑になり、AIが生成するアウトプットの品質も悪くなる(品質劣化)

③ AIが提示した選択肢が正しいかどうかを自分で判定できない(判定不能)

AI活用のよくある勘違いは、「AIが勝手に素晴らしいものを作ってくれる」という妄想ですよね。

たとえば、AIに「年商1000億円の会社を作りたい。プランを出してくれ」といった指示を出すとします。このような抽象的なプロンプトでは、AIは適切な回答を出してくれません。解像度の低い質問には、解像度の低い回答が出てくるだけです。

仮に「年商1000億円の会社を作りたい。プランを出してくれ」で、事業計画が出てきたとします。この内容が実は「それなりのもの」だったとしても、抽象的なプロンプトを入れる人間が事業計画を「それなりのもの」だと判断できるとは思えません。

④ (結果として)AIの提案に対して修正・改善・深掘りの介入ができない(介入不能)

⑤ アウトプット内容を自分で説明できず、責任を持って利用することもできない(利用不能)

(中略)

差別化の源泉は生成AIを使いこなす人間の側にあり、だからこそ人間はもう何もしなくていい、ということは原理的にあり得ない。

そして、実はそれなりの事業計画だったとしても「判断ができないので、アイデア自体が放置される」もしくは「中途半端にしか実行に移されない」、これが現実ではないでしょうか。AIに指示を出すのが人間ならば、AIのアウトプットを判断するのも人間なわけです。

もし人間側に「それなりのもの」だと判断する能力があるとしたら、そもそもプロンプトを入力する時点で、より具体的で解像度の高い指示を入れるはず。

結局、AIに指示を出す側の人間の能力以上には、AIを生かすことはできないということになります。

要チェック記事

令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました | 経済産業省
https://www.meti.go.jp/press/2024/09/20240925001/20240925001.html

経済産業省が出している毎年恒例のレポートです。令和5年分も要チェックや。

愛媛のタクシー会社の奇跡、2日でフォロワー2万増「泣いてます」 | withnews
https://withnews.jp/article/f0240913004qq000000000000000W08k10201qq000027321A

たしか「カメラを差し上げる」と名乗り出た人もいたんですよね。あたたかい話です。

頭のいい人の「質問力」が身につくシンプルな習慣 | 東洋経済ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/827567

自分自身に質問や言葉がけをしていくことで質問力が向上していく。面白い考え方。

2024年の秋冬は暖冬傾向、秋・冬物商品の動き出しは鈍いと予測【ウェザーニューズ調査】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12912

少し涼しくなってきましたが、これだけ気温が読めないと商売も困りますよねぇ。

気づいたら日本ブームがすごいことになっていた | NHK
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240914/k10014581551000.html

日本にいると「アメリカで人気沸騰!」が本当か誇張かがわからないんですよね。

世界のeコマース市場規模、2029年までに11兆4,000億ドルに急増する見込み | eccLab
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/97161

2024年の7兆ドルから63%の急増。牽引するのは決済で、新興国ECに拍車をかけるとのこと。

今週の名言

メガ・バズが起きない時代の「知られ方」を考える | AdverTimes.
https://www.advertimes.com/20240912/article473569/

結局変なことやって目立っても意味がないので、自分のブランドに近いところで、それを突き詰めてやることだと思います。そうすれば、いつか誰かに見つかる時に付与できる情報も増えるわけですし。やり続けることがきっかけになるので、それを積み重ねることしかないと思います。

SNSはもちろんのこと、ネットの世界はパーソナライズが進んでいますね。本来は「世界中のさまざまな『知らない』情報が得られるインターネット」だったはずなのに、逆に情報の枠が狭まってしまっているという現実。情報過多の時代、「見つけてもらう」まで積み重ねるしかないのかもしれません。

たくさんの事例、そして本質的な落としどころを指摘している良記事でした。

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