瀧川 正実 2015/3/23 8:00

クルーズはファストファッションブランドのECサイト「SHOPLIST.com」、ラグジュアリーブランドのセレクトユーズドショップ「Reward」などを運営している。2014年3月期のEC売上高は、前の期比167.4%増の64億8900万円と、急成長を遂げている。中心顧客は20歳代女性が中心。今後の成長戦略を張本貴雄取締役に聞いた。

どのような新しい価値を提供できるのか、さらなる差別化が必要な1年に

取締役 SHOPLIST.com事業担当執行役員の張本貴雄氏
取締役 SHOPLIST.com
事業担当執行役員
張本貴雄氏

――2015年のEC市場は前年(2014年)と比べてどのような環境になると考えていますか?

2015年のファストファッションEC市場は、2014年以上に高い成長曲線を描くであろうと考えています

昨今、ファストファッションがいち“ファッションジャンル”としてのポジションを確立したなか、ファストファッションを利用するユーザー層の幅が広がってきていることが理由としてあげられます。

リアルの市場を見てみるとわかりますが、今までは10代~20代がファストファッションのコアユーザーでした。しかし、2014年には既存のユーザー層に加え、30代~40代のユーザー利用も増加傾向にあり、当社のサービス(SHOPLIST.com by CROOZなど)を利用するユーザー層も傾向にあります。

2015年は、利用者の幅が増加することで、この市場の成長曲線にのるには、商品ジャンル幅の増加がキードライバーだと考えています。

また、成長曲線が高いということは、新しく参入する企業も多いということ。どのような新しい価値をユーザーに提供できるのか、さらなる差別化が必要だと認識しています。

――今後、成長を持続していくためにはどんなことが必要だと考えますか?

1つ目は「商品数の拡大」。2つ目は「安定的な物流インフラ」。最後に「効率的なプロモーション」です。

この3つのキードライバーのかけ算を継続することが、成長曲線を高く保つために最も重要であると考えています。

成長の持続に必要なことは、サービス開始当時から変わりません。これは、当社ではなく、全てのEC事業者にあてはまることでしょう。

――2015年、貴社ではどのようなことに取り組みますか?

2015年、当社の取り組みは3つの事業ドライバーの永続的な拡大です。

1つ目の「商品数の拡大」に関して、継続的にWebファストファッションブランドを拡大していくとともに、リアル市場をメインでサービスを展開している企業も視野に入れて拡大させていきたいと考えています。

2つ目の「安定的な物流インフラ」に関しては、大きな変革を行う予定です。「ユーザーが求めるタイミングで商品が届く」。全てこれに尽きると思っています。

3つ目の「効率的なプロモーション」について。当社はいままでWebプロモーションをメインに行ってきたことで、かなりのノウハウを蓄積することができました。継続して投資の手は緩めません。

また、2014年10月に初となるTV-CMを実施し、マスプロモーションの重要性を再認識しました。マスプロモーションが有効的に新規ユーザーを獲得する手段の1つであると、確信したのです。継続的なチャレンジ投資を行うと同時に、勝利の方程式を確立。効率的なプロモーション手段の1つとして創り上げていこうと考えています。

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