鳥栖 剛[執筆] 8/18 7:30

エア・ウォーターは8月7日、ニッセンや白鳩などを傘下に持つ歯愛メディカルに対する株式公開買付け(TOB)の実施を決定したと発表した。

歯愛メディカルの取締役会も、TOBへの賛同を表明。株主に対してもTOBに応募してもらうよう推奨する旨の決議をした。

エア・ウォーターは歯愛メディカルの通信販売ネットワーク、通販ビジネスのノウハウやプロモーション能力、顧客接点をグループ全事業で取り込み、自社開発品の展開や、技術開発力を生かした新事業を創出し、事業変革を起こしていくという。

ニッセンや白鳩などを傘下に持つ歯愛メディカルをエア・ウォーターが連結子会社化へ
通販ビジネスによる事業変革

エア・ウォーターグループは2011年に歯科技工機器の製造・販売を手がけるデンケンを、2012年に歯科技工材料の製造・販売のハイデンタル・ジャパンをグループ化し、歯科事業に本格参入。歯愛メディカルとは2016年に資本業務提携契約を締結し、株式の38.29%を保有している(6月30日現在)。

歯愛メディカルは通販ビジネスで、全国の歯科医院の約9割(6万5000軒)との取引実績を持ち、歯科技工所や一般病院、動物病院、介護・福祉施設など事業を拡大。エア・ウォーターと合弁出資しているエア・ウォーター・アエラスバイオは、2020年から世界初の歯髄再生治療の実用化に取り組んでいる。

歯科事業分野ではシナジーの創出を実現してきたが、エア・ウォーターは歯愛メディカルとのさらなる連携強化と歯科・医療分野以外のシナジーの最大化をめざし、歯愛メディカルのTOBを決定。非公開化により、グループ一体で事業推進体制の構築をめざすという。

通信販売ビジネスネットワークの取り込みによる事業変革

通信販売ネットワーク、通販ビジネスのノウハウ、EC・カタログ・商品ブランド展開などのプロモーション能力を活用し、グループ製品を展開する。歯髄再生治療(他家歯髄再生、人工歯再生の技術確立、神経系治療への適用拡大など)の市場開拓、動物病院向けの未利用資源を用いた機能性食品の開発など新たな事業の創出を図る。

歯科関連事業の進化

歯科DX(デジタル化)を推進する。海外メーカーとの資本提携などによるデジタル機器の共同開発・全国の技工ネットワーク構築により、歯科技工所の社会課題(人手不足解消・長時間労働是正)の解決に貢献する。

グローバルへの事業展開として、歯科材料・歯科関連装置の海外展開に向けたネットワーク拡大・海外におけるクラウドによる技工ネットワークの拡大を図る。

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