高野 真維[執筆] 2/18 7:30

歯科用品のBtoB通販事業などを展開する歯愛メディカルは、外注にかかるコストの削減を目的に、3PL事業を強化する。歯愛メディカルが石川県白山市に保有する旧ロジスティクスセンターを再稼働。これまで割高な外部倉庫に外注していた出荷・保管などの物流業務を受託することで、グループ企業全体のコストダウンを図る。

歯愛メディカルは、石川県能美市にある新ロジスティクスセンターへの移行を2024年5月末に完了し、旧ロジスティクスセンターとの並行稼働は終了していた。

旧ロジスティクスセンターの再稼働は2024年10-12月期(第4四半期)から開始。歯愛メディカルの傘下企業であるニッセングループの物流の一部を受託している。2月にはロジスティクスセンターでのオペレーター管理などの中途採用も始めた。

旧ロジスティクスセンターを再稼働し、3PL事業の強化に乗り出している(画像は歯愛メディカルのIR資料から編集部がキャプチャ)
旧ロジスティクスセンターを再稼働。3PL事業の強化に乗り出している(画像は歯愛メディカルのIR資料から編集部がキャプチャ)

ニッセングループ買収で大幅増収

2024年12月期(通期)の連結業績は、売上高が前期比47.9%増の674億円9300万円、営業利益は同16.6%減の24億9300万円、経常利益は同20.4%減の26億2100万円、純利益は同200.9%増の62億6600万円。2024年7月1日付でニッセンホールディングスの株式を100%取得したため、売上高と純利益は大幅に増加した。

このうち、歯愛メディカル事業の売上高は497億6900万円(同9.1%増)、営業利益は20億4100万円(同31.7%減)となった。

歯愛メディカルの2024年12月期連結業績(画像は歯愛メディカルのIR資料から編集部がキャプチャ)

歯科関連商品を扱う通信販売事業を中心に、新商品の販売、個人医院・総合病院などの医科業界、動物病院業界への参入拡大を進めている。また、歯科医院や動物病院などへ大型医療機器を販売しており、実績を重ねている。歯愛メディカル事業の売上高のうち、大型医療機器などの2024年12月期の売上高は43億300万円となっている。

利益面では、円安基調や原材料価格の高騰の影響による商品調達価格上昇の影響が続いているが、2024年6月と11月に歯科通販総合カタログを発刊し、価格改定により収益改善を図っている。

歯愛メディカル事業の売上高は好調に推移した(画像は歯愛メディカルのIR資料から編集部がキャプチャ)
歯愛メディカル事業の売上高は好調に推移した(画像は歯愛メディカルのIR資料から編集部がキャプチャ)

2024年12月期に連結子会社化したニッセンホールディングス、ニッセン、ニッセンライフ、アド究舎、マロンスタイルの5社の事業を展開するニッセン事業の売上高は177億2400万円、営業利益は6億400万円。

2024年12月に連結子会社化した白鳩の事業を管掌する白鳩事業は、2024年12月期は貸借対照表のみを連結。みなし取得日は2024年11月末であることが理由となっている。2023年12月1日から2024年11月30日までの業績は営業外収益の「持分法による投資利益」に含めて計上している。

2025年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比40.8%増の950億円、営業利益は同65.8増の41億3500万円、経常利益は同62.8%増の42億6800万円、純利益は同50.1%減の31億2800万円。歯科業界における通販マーケットは、一般消耗品、特にPB製品を中心としたコストパフォーマンスの高い商品の購入増加による通販マーケットの拡大は続くものの、NB製品を主とした診療用材料・機器については卸業者とのすみ分けが進み、通販市場の増加率は緩やかになると見込んでいる。

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