通販新聞 2015/5/26 10:00

マタニティー通販のエンジェリーベの2015年3月期業績は、5期ぶりに経常黒字に転換した。昨年秋にマタニティーカタログーを廃止し、ネット販売に特化。売り上げが伸びて粗利が増えたほか、経費削減が奏功した格好だ。一方、店舗閉鎖で特別損失を計上したことで、当期損益は赤字となっている。

売上高は前期比約16%増だった。主力のマタニティー事業では、カタログを廃止しているが、これまでカタログを閲覧して通販サイトで購入していた消費者が、直接ネットで買うようになったことで注文率が向上。また、通販サイト刷新や楽天市場店の強化などが奏功し好調に推移した。中間期までは約30%増で推移していたものの、第4四半期(1~3月)に円安の影響による原価高を受け、平均6%の値上げを実施したことで受注がやや落ち込んだ。

今期はベビー用品事業の強化を進める。カタログを廃止し、浮いたコストをウェブでのプロモーションに使う。現在は赤ちゃんの生後半年までの商品しか提供しておらず、ライフタイムバリュー(LTV)の観点から、2歳までを対象とするために商品数を拡大。主力のマタニティー事業では、少子化による妊婦減少が逆風となっており、LTV向上で売り上げ拡大につなげる狙いだ。また、出産直後の母親向け授乳服などが好調なことから、引き続き産後のケア商品を強化する。

円安への対応策としては、秋冬商品から中国におけるメーカーを変更する予定。生産コストを下げることで粗利確保や値下げにつなげたい考えだ。

また、スマートフォン経由の購入が急拡大し、全体の注文の半数を超える一方で、購入点数が減少していることから、スマホ向けサイトの使い勝手を向上することで客単価を回復する。

親会社の健康コーポレーションでは、2月に夢展望を買収。エンジェリーベの岩本社長も夢展望の取締役に就任している。5月14日には、北海道千歳市のアウトレットモール「千歳アウトレットモール・レラ」にエンジェリーベと夢展望の共同店舗を出店。在庫処分に活用する考えで、今後もアウトレット店を出店したい考えだ。

健康コーポレーショングループでアパレル事業を手掛ける馬里邑とアンティローザでは、前期試験的に交通広告を実施した。ただ、エンジェリーベはターゲット層が狭いことから、こうした大々的な販促は行わず、ウェブでのプロモーションを中心とする。

今期も増収を計画しており、「最低でも二桁増、できれば50%増を達成したい」(岩本眞二社長)としている。早期に同社の最盛期の売上高である60億円に戻すことを目標とする。

また、岩本氏が副社長を務める馬里邑では、文化学園文化出版局の「ミセス通販」にカタログを同封することで50~70代女性向けに通販を展開している。「客単価は高く、反応もまずまず」(同)であることから、今後は提携先の拡大も視野に入れる。

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
エンジェリーベ 前期業績、5期ぶりに経常黒字(2015/05/21)

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