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メルマガの売上を4倍、開封率3倍を実現したパーソナライズメールの運用方法

パーソナライズメールの活用で売り上げは120%増、リピート客は60%UP、平均客単価も大幅に上がったという

Digital Commerce 360

2016年11月10日 8:00

玩具のECサイト「TheToyShop.com」を運営するThe Entertainer社は、SmartFocus社のマーケティング・オートメーション・ソフトウェアを導入し、メールの開封率を200%アップさせました。

The Entertainer社のロブ・ウッド氏によると、オンライン売り上げは急上昇しているそうです。The Entertainer社のEC経由の売り上げは過去3年間で3倍に拡大し、全社売上高の15%を占めています。

130店もの実店舗を運営するThe Entertainer社は、1999年に「TheToyShop.com」を立ち上げ、オンライン販売を始めました。ウッド氏率いるチームメンバーは、ECの売り上げには大きな可能性があると感じていたそうです。

特にウッド氏は、パーソナルメールを活用してECの売り上げを促進したいと考えていました。ウッド氏はこう言います。

以前は、ほとんどメールキャンペーンの設定を手動で行っていた為、ターゲットメールを配信するのに数週間の期間が必要でした。ユーザーごとにカスタマイズしたメールキャンペーンを始めた時の内容は、基本的には価格訴求に特化していました。

約1年半前、The Entertainer社は約100万人のユーザーへ向けて、パーソナルメールを配信できるSmartFocus社のマーケティング・オートメーション・ソフトウェア「smartFOCUS(スマートフォーカス)」を導入。週3回のペースでパーソナルメールを配信できるようにしました。

また、「smartFOCUS(スマートフォーカス)」を利用して、ユーザーの属性ごとに「TheToyShop.com」のトップページを変更できるように設計。システム導入後、メール経由の売り上げは300%増開封率は200%アップしました。

モバイルデバイスからの売り上げも120%増え、リピート客も60%上昇したのです。ウッド氏によると、平均客単価も大幅に上がったそうです。

The Entertainer社はサイト内にスターウォーズやレゴなどのブランド、トピックを掲載する12のエリアを新設。それらのいずれかに興味がありそうなユーザーにパーソナルメールを送るようにしました。

メールのコンテンツは、スターウォーズの新しい商品を紹介したり、関連プロモーションを案内する内容です。「smartFOCUS(スマートフォーカス)」がクッキーかメール内でクリックしたリンクを元にユーザーの興味を分析。「TheToyShop.com」にユーザーが移動すると、トップページのバナーがユーザーの興味のありそうなブランドや商品に自動的に変更されます。

メルマガの売上4倍、開封率3倍を実現したパーソナライズメールの運用方法 マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入した事例
「TheToyShop.com」のトップページ(画像は編集部がキャプチャ)

たとえば、何か商品を1つ購入すると2つ目の商品が1ペニー(約1円)で購入できるようなプロモーションを行った場合でも、スターウォーズファンがサイトに訪れた時には、トップページにはスターウォーズのバナーが掲載されます。ウッド氏によると、各ブランドやトピックにつき、幾つものバナーを作成して出し分けると同時に、セグメント分けしたメール配信も行っているそうです。

「smartFOCUS(スマートフォーカス)」を使うと、メールの内容を大幅に変更することも可能です。たとえば、ホリデーシーズン中に商品が売り切れになった場合、在庫状況に合わせて在庫がある別商品を紹介するようにメールが自動的に変更されます

秋頃から玩具はよく売れ始めます。おもちゃ業界は、人気商品は売り切れになるように生産しています。おもちゃ屋は入手困難な商品をプロモーションして煽るわけです。SmartFocus社のシステムはユーザーがメールを開封する時、リアルタイムで在庫を検索し、メール内のコンテンツを変更します。そのため、在庫切れの商品を訴求してユーザーにストレスを感じさせるようなことは発生しません。メールに掲載していた商品が在庫切れになった場合、類似商品と入れ替えて表示するのです。

ウッド氏はこう語ります。

また、The Entertainer社は年に数回程度しか買い物しないユーザーに対して、いつメールを配信するのが効果的なのかを分析し、最適なタイミングでメール配信することで売り上げアップにつなげています。つまり、データベースからいつ顧客が買い物をしたのか拾い出し、最適なタイミングでメールを送っているのです。

「ユーザーは、必ずしも自分の子どものためだけにおもちゃを買っているわけではありません。友人や親戚のプレゼントとして購入していることもあります」とウッド氏は言います。

ウッド氏によると、ターゲティングメールからの売り上げは従来比2倍にまで広がっているそうです。ウッド氏は次のように説明します。

私たちはユーザーのデータを収集したら、すぐにデータを利用してメールを送りますパーソナルメールやターゲティングメールを受けとったそのユーザーは、他のユーザーよりも2倍も買い物をしています

「smartFOCUS(スマートフォーカス)」は、メール配信数に応じて月ごとに利用料が発生します。The Entertainer社はシステム導入までに3か月かかりましたが、売上アップだけではなく、時間の節約にも役立っているそうです。ウッド氏はこう語っています。

以前は、基本的なメールキャンペーンの設定をするだけで1日かかっていましたが、今では3種類のメールキャンペーンを1日以内で設定することができます。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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