ネットショップの裏側に初潜入! レタス畑で泥だらけになって野菜への愛を体感してきました!:オイシックス 農場編
はじめまして、はぴさやと申します。今回から、普段目にすることのないネットショップの裏側を探検することになりました。記念すべき第1回は、オイシックスさん。オイシックスさんは美味しくて安全な食材の宅配をしている会社です。そんなオイシックスさんが社員向けに行っている、農業体験をするイベント「ブランド体感会」に参加させていただきました。バスに揺られることおよそ3時間。目的地は群馬県利根郡昭和村。まずはトウモロコシの収穫からスタートです! 写真◎吉田 浩章
トウモロコシで水分補給!?
最初に向かったのは加藤さんのトウモロコシ畑。ここでは約7千本のトウモロコシが栽培されています。さっそく説明を聞く一行。
トウモロコシは3か月ほどで収穫できるので、年2回栽培されています。生産者の加藤さんはここですべての作業を1人で行っているそうです。
トウモロコシは1本に上下2つ実がなりますが、出荷するのは大きくなる上の実だけ。早い時期に小さい方の実を取り除いてしまう方法もありますが、加藤さんは残して葉っぱを大きくすることにしているそうです。
「農家は下の実を水分補給にかじるんです」と加藤さん。「トウモロコシ」と「水分補給」が結びつかない私たちの頭の中には「?」マークが。
ここで加藤さんに教えてもらったトウモロコシの豆知識を披露します。
ヒゲの数は実の数と同じなので、ヒゲが多いと実が多いそうです。ヒゲの色は収穫時期の目安にもなります。
大きくて色が鮮やかなものが美味しくて、中でも根元に近い部分が甘いそうです。誰かと1本を半分こするときは根元のほうを取りましょう!
トウモロコシは横に倒れても立ち上がろうとする力が働くため、立てて保存するのがベストだそうです。収穫されても上に上に向かおうとするトウモロコシのパワーに、たくましさを感じます。
新鮮なものは生でも食べられるということで、皮を剥いてそのまま1本がぶり。お、おいしい〜! 粒いっぱいに詰まったみずみずしい甘みと、トウモロコシの香ばしさが口の中に広がります。加藤さんが「水分補給」と言っていた意味も分かります。本当にジュースを飲んでいるみたいでした。
可愛いレタスの幼稚園を訪問
続いて一行は生産者団体さんのもとに向かいます。ここで私たちは10名ほどの生産者さんと合流。グループに分かれて、それぞれの生産者さんのもとで「ガチ」の農業体験をするのです!
今回私がお世話になったのは、社員4人とパート15人で、レタスを中心にほうれん草、白菜、カリフラワー、かぼちゃなどを生産している生産者さん。社長の竹之内さんは、なんと冬の間はスノーボードを教えていて、数名の社員の方もインストラクターをされているそうです。
昼食をとりながら、野菜を愛して止まないオイシックスチームから、竹之内さんに次々と質問が投げかけられます。
レタスは3日間ほど日光に当たらないだけで弱ってしまうほど軟弱な野菜。雨に当たると葉から栄養が逃げて行ってしまうだけでなく、土が水分で締まって根が酸欠になるからだそうです。
ちなみに良いレタスとは、弾力があってずっしりと重く、形と切り口がきれいで葉が厚いもの。そんなレタスができたときがやっぱり嬉しいそうです。「手をかけたらかけただけ戻ってくる」と楽しそうに話す竹之内さんの姿がとても印象的でした。
レタスは種をまいてから20日ほどで畑に定植され、55日くらいで出荷されます。5月〜10月いっぱいくらいの期間、同じ畑で2回〜3回作収穫できるそうです。
サイエンズのレタスの特徴はミネラルをいっぱい与えること。「野菜は窒素、リン酸、カリウムで育つけど、それと同じくらいマグネシウム、鉄、マンガン、カルシウムなどのミネラルが必要なんです。ミネラルをどれだけ与えられるかで、野菜の元気さが変わってきます。元気な野菜は形も良いし、栄養価も高いし美味しいので、ミネラルをたくさん与えているんです。自分はぜんぜん摂っていませんけど(笑)」
苦行! レタス畑のマルチはぎ
楽しい昼食の後、私たちが連れて行かれたのはレタス畑。今日の任務は収穫が終わった部分に張ってある「マルチ」という、雑草予防や水分保持のために張ってあるビニールをはがす作業です。
「今日は残念なところに配属されましたね、一番嫌な作業です」と、さわやかに微笑みながら語る竹之内さん…。
空模様が怪しくなってきたので急いで運びましたが、雨が降り出す前に何とか作業終了。
とっても大変だったのですが、きれいに詰められたトラックを見て、密かに満足感に浸っていると、竹之内さんが「今日は午前中にこの2倍出荷しているんですよね」とサラリ。えー! 農家の仕事ってやっぱり大変!!
オイシックスではウェブサイトから簡単に野菜を注文できますが、その裏では生産者さんたちが毎日欠かさず、精魂込めて育ててくれていることを忘れてはいけないんですね。
この日私たちが収穫したレタスが、誰かの口に入ることを想像したらとても嬉しい! 最後には、疲れが吹き飛ぶくらいの充足感と達成感でいっぱいになってレタス畑を後にしたのでした。
バーベキュー大会で野菜への熱い思いを語ってもらいました
きびしい労働のあとはオイシックス社員と生産者さんとの交流のためのバーベキュー大会です。
途中、普通のスーパーで売っているトウモロコシとオイシックスさんで扱っているトウモロコシとの食べ比べがあったのですが、その差は歴然でした!
バーベキューを食べながら、今日、同じグループで共に汗を流したみなさんに感想を伺いました。
まずは店舗事業部 五味渕さん。とにかく野菜が好きでオイシックスに就職したという五味渕さんは、野菜への興味が尽きません。
「何をするか悩んでいた頃に、家で食事を作っていると癒されたんです。それから野菜の魅力にハマってしまって……。野菜を知ることは人を知ることとよく似ていると思うんです。どう接するかによって見せてくれる表情が違うのでとても面白いです。現在は店舗でお客さまに野菜をお渡しするという最後の部分をやっているので、今日は根っこの部分である農作業を体験できて、野菜の知識がまたちょっと深くなったかなと思います」
仕入れの最前線で毎日いろんな野菜と向き合っているMD青果チームの横倉さん。合気道をやっていて、疲れない体の使い方を追求している横倉さんでも今日の作業は少々疲れたそうです。
「オイシックスは美味しさにとても厳しい会社。安全は基本にあるけど、とにかく美味しさにこだわっているんです。前職ではオイシックスに出荷する側にいて、今は仕入れる立場なので生産者さんとコミュニケーションをとりながら、“こういう美味しい野菜が欲しいんです”と伝えて作ってもらえる楽しさがあります。農家さんに近い立場じゃないと、なかなかそういう提案はできませんから」
広報室の上田さん。上田さんも新卒でオイシックスに入社した社会人1年生です。
「これまでも農作業の体験はしたことがあったんですが、今回が一番大変でした。食べることが大好きなので、オイシックスの仕事は食べ物のことをずっと考えていられるのが幸せです。日本にはまだまだ面白い野菜がたくさんあるので、本当に美味しい野菜の良さをたくさんの人に伝えられるように頑張りたいです」
同じく広報室の中島さん。普段トレイルランニングで体を鍛えまくっている中島さんも「短時間だったら大丈夫だけど、毎日だったら大変ですね」。
「オイシックスはみんな野菜に真剣で、野菜が好きな会社です。お客さまと生産者さんのことを考えていて、お客さまの利便性を高めるインフラとしてITがある感じです。eコマースなのに良い意味でインターネットっぽさがない会社なんです」
今回1日の農業体験は、“食事”に対するありがたさを改めて痛感する貴重な経験となりました。
私の祖母は福島県で野菜農家をしたのですが、震災で自分たちの畑を失うことになり、当たり前のように食べていた美味しい野菜が食べられなくなってしまいました。 この時“当たり前なことなど、なにもない”ということを痛感させられました。
生きているものの命をいただいて命を育んでいる私たちは、食事を摂ることなしでは生きていけません。
「食べてくれる人に喜んでもらいたい」と心を込めて作業をしている生産者さんがいて、 誰が作ったかに徹底的にこだわって、安心で安全な美味しい野菜を多くの人に届けるオイシックスさんがいる。
「愛情をかけて作られた野菜は違う」と、生産者さんもオイシックスのみなさんも口々に話していましたが、食べることで心も身体も満たしてほしいと願うみなさんの思いこそ、“愛“そのものなのかもしれません。