瀧川 正実 2017/7/7 6:00

セブン&アイ・ホールディングスとアスクルは7月6日、業務提携に関して基本合意を締結したと発表した。

業務提携の内容は次の通り。各正式契約の締結に向け両社間で今後、協議を進めていくとしている。

  • 相互送客の実施
    セブン&アイ・ホールディングスのECサイト「オムニ7」とアスクルのECサイト「ロハコ」間での相互送客を11月末をメドに実施
  • 新業態の生鮮ECビジネスの実施
    「ロハコ」のプラットフォームを活用した新業態の生鮮食品ECビジネスを11月末をメドに開始
  • 「オムニ7」の効率化に向けた検討開始
    「オムニ7」についてEC物流、ECサイトの開発・運営の共同化に向けた検討を開始

アスクルは都市部での自社配送、AI活用による1時間帯時間指定などを「LOHACO」で提供。関東、関西、福岡に物流拠点を置き、高品質で高度な物流サービスを提供している。

アスクルの物流プラットフォームとセブン&アイの商品力など両社が持つ経営資源を相互に補完。「高いシナジーが実現できる」(セブン&アイ・ホールディングス)と判断したため、業務提携の合意に至った。

アスクルが展開している物流センター

アスクルが展開している物流センター(画像はアスクルのIR資料からキャプチャ)

セブン&アイとアスクルで生鮮食品ECを展開へ

「ロハコ」と協働する生鮮食品のECサービスの名称は「IYフレッシュ」(仮称)。2017年11月末に新宿・文京区にてテストを開始。2018年5月頃には東京西部・北部へ拡大する計画を掲げる。2018年中には東京23区に、2020年秋頃には首都圏へと広げる計画。

商品供給は主にセブン&アイ・ホールディングス、システム・物流はアスクルが担当する。

セブン&ワイとアスクルが協業して展開する生鮮ECサービス「IYフレッシュ」の展開計画

生鮮ECサービス「IYフレッシュ」の展開計画(画像はセブン&アイのIR資料からキャプチャ)

「IYフレッシュ」のターゲットは30~40代の有職女性・子育て中の女性・高齢者。セブンプレミアムをメインとする10分以内で調理可能なセット製品を、動画を活用して提案していくという。取り扱う商品は加工肉、カット野菜、魚の切り身、セブンプレミアムなど。

非食品分野はアスクルの「ロハコ」が展開していく計画。アスクルは非食品分野を中心に約40万アイテムを取り扱う。一方の「オムニ7」はイトーヨーカドーのネットスーパーを中心に約220万アイテムを扱うが、食品やベビー・キッズ、書籍などが強い。「ビジネスモデル・扱い商品とも補完関係が強く、高いシナジーが実現できる」(セブン&アイ・ホールディングス)としている。

セブン&ワイとアスクルが協業して展開する生鮮ECサービス「IYフレッシュ」の取り扱い商品のイメージ

「IYフレッシュ」の取扱商品イメージ(画像はセブン&アイのIR資料からキャプチャ)

セブン&アイ・ホールディングスの「オムニ7」は開始当初、2018年にオムニチャネル売上高1兆円を目標として掲げていたが、その後に事業方針を転換した。

ECを中心に不特定多数の顧客にアプローチする従来の戦略から、「顧客ごとにグループ各社の利用状況をつなげ、全チャネルを通じてサービスの質を追求していくこと」へと変更。国内のグループ店舗に来店する1日あたり2200万人にのぼる顧客の「顧客生涯価値(Life Time Value)」向上をめざしている。

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