手書きのお礼状などは販促に効果的――「思いや性格が伝わる」と実験で実証
手書きの文章とパソコンで作成した文章が読み手に与える印象の違いを、NTTデータや東京大学大学院などのアナログ価値研究会が検証
NTTデータ経営研究所などは7月4日、手書きの文章はパソコンで作った文章と比べて書き手の思いや性格などが読み手に伝わりやすいとする実験結果を発表した。
通販・ECではファン作りやリピート促進の一環として、手書きのお礼状などを商品に同梱することも多い。手書きの文章は書き手の気持ちが伝わりやすいという通説が、今回の実験によって補強された格好だ。
実験を行ったのはNTTデータ経営研究所や千葉工業大学、東京大学大学院、王子製紙、ゼブラ、DIC、日本能率協会マネジメントセンターらで構成する応用脳科学コンソーシアムの「アナログ価値研究会」。
「アナログの価値」を調べるため、手書きの文章と、パソコンで作成した文章が読み手に与える印象の違いを検証した。
男女2人ずつの合計4人が、身近な友人が誕生日を迎えることを想定し、その友人に向けて誕生祝いのメッセージカードを書いた。その際、次の3条件で3種類の手紙を執筆し、それぞれについて読み手が感じる印象を調査した。
- 手書きでゆっくり時間をかけて心をこめて書く(a)
- 手書きで自分の書ける最高のスピードでできるだけ素早く書く(b)
- パソコンで指定された文章をタイプする(c)
その結果、手書きでゆっくり時間をかけて心をこめて書いた手紙は、「思いが込められている」と読み手が感じる度合いが他の手紙より高かった。さらに、書き手の性格が読み手に伝わりやすいことも示された。
この結果について報告書は、手書きの文章は思いが伝わりやすいという価値が改めて示唆されたほか、書き手の「自分らしさ」を伝達できるという点で電子媒体にないユニークさを持つと考えられると指摘している。
実験に参加した読み手は男女20人ずつの計40人。
「アナログ価値研究会」は、デジタルとアナログの価値を見極め、それぞれの良さを享受することでより豊かな生活を人々に送ってもらうことを目的として組成された。
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