EC実施企業も省エネ法の規制対象に。一定規模の事業者には報告義務も
年間輸送量3000万トンキロ以上の特定荷主は省エネ計画の提出やエネルギー使用状況の報告の義務が発生、他の荷主は努力義務
政府は3月9日、「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)の改正案を閣議決定した。ネット通販事業者を省エネ法の対象に含め、省エネの取り組みを求める。現在開会中の通常国会での成立をめざす。
「省エネ法」は現在、荷物を輸送する企業(貨物輸送業者)を規制の対象にしているが、荷物の所有権を持たないEC事業者は規制の対象外。
改正案は荷物の輸送方法を決定する者を「荷主」と定義し、配送方法を決めているネット通販事業者を省エネ法の対象にした。
省エネのさらなる推進には、輸送業者だけでなく輸送方法を決定するEC事業者も規制対象にする必要があると判断した。
年間輸送量が3000万トンキロ以上の特定荷主には、省エネ計画の提出やエネルギー使用状況の報告を義務付ける。他の荷主は努力義務。輸送方法を決定していないECモール運営事業者は対象外。
政府は省エネに取り組んでいるEC事業者の事例を踏まえ、他の企業の取り組みを促す。省エネの取り組みの例として、「共同輸配送」「物流拠点共有」「積載率向上」「輸送量の平準化」「包装材の軽量化・小型化」「宅配ボックスの設置」などをあげている。
「荷主連携省エネルギー計画」の実施に必要な設備投資に対する支援策として、法人税30%特別償却、7%税額控除(中小企業) を新たに設ける。設備投資に対する補助金として2018年年度予算案に60億5000万円を盛り込んだ。
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