「Shopify」総流通総額が10兆円を突破。「Shopify Japan」1周年で何が変わった? 選ばれる理由は?
2月27日、Shopify Inc.の日本法人Shopify Japanが本格的に事業を開始して1年になるのを記念し、事業戦略発表とユーザー企業とのトークセッションが行われた。
グローバルでの流通総額は10兆円を突破
Shopifyのパートナーシップ兼事業開発部長のマーク・ワング氏によると、2018年末時点でのグローバルにおける利益はおよそ110億円。総流通総額は10兆円を突破した。スタッフは4,000人。175か国で82万店舗が稼働している。国別の比率は下図のとおり。
JETROの調査によると日本は世界で3番目に大きなマーケットだが、日本の小売業でオンライン販売をしているのは2割程度、越境ECで販売しているのはその1割程度とわずか。しかし、将来的には日本のEC市場規模はアメリカと同じくらいになると思っている。Shopifyのプロダクトをより良くしていくことによって、越境ECだけでなく、オンライン販売のサポートをしていきたい。(Shopify パートナーシップ 兼 事業開発部長 マーク・ワング氏)
大陸別の店舗数成長率では、南アメリカが69%と目立つ。
全体的に伸び率が高いジャンルはアパレル。今後は日本、フランス、ドイツへの投資を進めるという。
改善ポイントは決済と日本語化
Shopify Japanとしての主なトピックは以下の通り。
- 2018年にサービスインした「Shopifyペイメント」をはじめ、決済手段を拡充した。今後は後払いに対応予定
- Instagramショッピングに対応。「ストーリーズ」でも販売可能にしたことで、FacebookやFacebook Messengerでも販売可能に
- ARに対応。サイズがわかりやすくなり、家具や雑貨の返品減に貢献
- 管理画面からマーケティング施策を管理できる「マーケティングキャンペーン」を追加。マシンラーニングにより効果的なマーケティング施策の提案もおこなう
- 販売エリアを設定してポップアップ通知を送るアプリ「frenzy(フレンティ )」をリリース
- これまで英語中心だったが、2019年末に管理画面とヘルプセンターの日本語化を完了
- エンタープライズ向けのコース「Shopify Plus(ショピファイプラス)」を開始(現在は1社のみ)
ユーザー企業がShopifyを選択した理由
トークセッションではShopifyパートナーシップ兼事業開発部長 徳満泰彰氏がモデレーターを務め、Shopifyを使って女性向けのアパレルECサイトを運営する2社が登壇した。
「RiLi」はサイトリニューアルのタイミングでShopifyに乗り換えた。
さまざまなASPをトライアルで使用した中で、最先端の仕組みを導入していると聞いて導入を決めた。 Instagramに注力しており、ノベルティ施策やコーディネートのセット販売をしたときに、アプリを追加すれば簡単に実施できるところが良い。(「RiLi」代表取締役 渡邉麻翔氏)
「COHINA」は設立1年。身長155cm以下の女性向けのファッションアイテムを販売している。
世界中の小柄女性にピッタリサイズの服を着る感動を届けたい」がコンセプト。最初からグローバルに強いプラットフォームで始めたいと思い、Shopifyを選択した。スモールスタートだったが現在は月に数千万の売上をあげられるようになった。いまだに固定のエンジニアやデザイナーはいないが、サードパーティーアプリが充実していることで、やりたいことがやれている。
Instagramのライブ配信を毎日行っており海外からの反応が多い。向こうの方から私たちを見つけてくれている。2019年内に海外発送の体制を整えたい。(「COHINA」の清水葵氏)