ロコンドが千趣会子会社「モバコレ」を買収、M&Aを仕掛ける理由
靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンドは3月1日、千趣会の子会社で女性ファッション通販を手掛けるモバコレを完全子会社化すると発表した。3月29日にモバコレの全株式を取得する。取得価額は4億8800万円。
モバコレが強みとする20~34歳の顧客を取り込み、相互にクロスセルを行う。モバコレが抱える10万人以上のアクティブユーザーに対し、ロコンドが展開する2000以上のブランドを同時購入できる環境を構築するという。
さらに、ロコンドの「自宅で試着」や「即日、翌日お届け」といったサービスを展開することで、モバコレの売上促進を図る。
モバコレのITや物流のインフラを、ロコンドのインフラと統合することで、モバコレの収益性改善も見込む。モバコレの2017年12月期の売上高は25億4900万円、当期純利益は3900万円。
ロコンドは35~49歳の女性ユーザーに強みを持つ。モバコレを買収することでロコンドグループのアクティブユーザー数は20%増えるという。「LOCONDO.jp」と「モバコレ」を合算すると、靴以外の商品の売上比率は、現在の26%から約40%に上昇する。
ロコンドの田中裕輔社長は次のようにコメントしている。
モバコレ社員の皆さん、ようこそ、ロコンドグループへ。ロコンドは2010年の創業以来、幾度もの倒産危機に遭いながらも、チーム一丸となってその危機を乗り越えて来た会社です。そしていま「3年間で取扱高を3倍、営業利益を10倍にする」というチャレンジをしている中、今回の契約締結に至りました。4月から皆さんはロコンドグループの一員になります。最初は色々と戸惑うかもしれませんが、ロコンド社員全員で、新たな仲間、新たな同志が加わる事を歓迎します。皆で一丸となって大きなチャレンジに向かっていきましょう。
ロコンドは2018年3月、業務提携や資本提携、M&Aなどさまざまな選択肢を視野に入れ、ファッションEC業界における「圧倒的な2位グループ」(田中社長)を作る構想を発表。グループ取扱高300億円をめざしている。
M&Aを積極的に実施しており、2018年4月にラオックスと共同でギフト大手のシャディを買収。2018年10月には、婦人靴の企画や販売を手掛ける三鈴商事を子会社化した。
ロコンドの2018年3-11月期(2019年2月期第3四半期)の売上高は48億2700万円、営業損失は6億4600万円だった。