新型コロナの影響で4月の消費はどうなる? 女性とファミリー層の意欲が低下と予想
博報堂のシンクタンクである博報堂生活総合研究所が公表した2020年4月の消費予測調査によると、消費意欲指数は前月比0.2ポイント増の45.3点となり、前年比では1.3ポイント減だった。
新型コロナウイルスの流行により、女性やファミリー層の消費が大きなブレーキになりそうだと予測している。
4月は例年、3月からの変動が少ない月で、2020年も前月比は0.2ポイント増と横ばいだった。前年比も全体では1.3ポイント減にとどまっている。
ただ、性別で見ると男性では前月比2.5ポイント増・前年比0.3ポイント増だったのに対し、女性は前月比2.1ポイント減・前年比2.9ポイント減と低下。年代別では、30代で前月比2.0ポイント減・前年比4.2ポイント減と落ち込みが大きくなっている。
消費意欲指数の理由(自由回答)をみると、新型コロナウイルスに関するネガティブな消費者の意見が激増(20年3月17件→20年4月251件)。「新生活、新年度、新学期準備」(19年4月66件→20年4月34件)、「欲しいもの、出費予定がある」(19年4月80件→20年4月57件)といった意見は前年から大幅に減少している。
新型コロナウイルスに関しては、意欲の減少や外出控え、旅行・イベントの中止、収入減、先行き不安感といったネガティブな意見(251件)だけではなく、「出かけられないのでネットショッピングをしたい」「こんなときだからこそ経済を回したい」といったポジティブな意見(38件)もある。
ネガティブな意見が圧倒的に多いものの、指数の低下が大きい女性と30代でも、2019年10月の消費税増税時ほどには低下していない。
背景として、「服を買いたい」(19年4月61件→20年4月61件)という意見は前年から減っていない、「特に買いたいもの・利用したいサービス」でも前年並みかプラスとなっているものも多い。
消費したいという気持ちは必ずしもなくなっていないものの、現実として消費や外出ができる状況にはないと捉えている人が多いこと考えられる。
調査概要
- 調査地域:①首都40km圏 ②名古屋40km圏 ③阪神30km圏
- 調査対象者:20~69歳の男女
- 対象者割付調査地域:①~③各500人を各地域の人口構成比(性年代)に合わせ割付
- サンプル数:合計1500人
- 調査方法:インターネット調査
- 調査時期:2020年3月5日(木)~9日(月)
- 調査機関:H.M.マーケティングリサーチ