石居 岳 2021/7/12 11:00

帝国データバンクが2021年上半期における負債1000万円以上の法的整理について集計したところ、倒産件数は前年同期比21.8%減の3083件(前年同期は3943件)だった。

コロナ禍で官民の企業支援策が倒産発生抑制に寄与、前年同期を大きく下回り半期ベースで2000年以降で最少となった。

四半期別では、第1四半期が前年同期から23.7%減、第2四半期は同19.7%減となり、ともに大幅な減少幅を記録した。なお、上場企業の倒産は発生しなかった。

帝国データバンクが2021年上半期における負債1000万円以上の法的整理について集計 2021年上半期の倒産件数
2021年上半期の倒産件数

2021年上半期の負債総額は同0.6%減の6280億7600万円(前年同期6316億7900万円)と、上半期としては4年連続の減少。四半期別では、第1四半期が同13.4%の増加に転じるものの、第2四半期は同11.1%の減少となった。

業種別に見ると、7業種中5業種で前年同期を下回った。なかでも建設業(530件、前年同期比16.4%減)、製造業(324件、同25.0%減)、卸売業(397件、同31.0%減)は、半期ベースで過去最少。小売業は同23.1%減の935件(前年同期719件)。運輸・通信業、不動産業の2業種は前年同期を上回った。

帝国データバンクが2021年上半期における負債1000万円以上の法的整理について集計 業種別の2021年上半期倒産件数
業種別の2021年上半期倒産件数

主因別の内訳をみると、「不況型倒産」の合計は前年同期比26.2%減の2341件。構成比は同4.5ポイント減の75.9%を占めた。倒産主因のうち、販売不振、輸出不振、売掛金回収難、不良債権の累積、業界不振を「不況型倒産」として集計した。

帝国データバンクが2021年上半期における負債1000万円以上の法的整理について集計 2021年上半期の倒産要因
2021年上半期の倒産要因

帝国データバンクは今後について、原材料価格の高騰などが起きているものの、多くの企業が販売単価への転嫁が難航している状況にあり、今後の収益性や資金繰りへ与える影響に注目したいとしている。

長期化するコロナ禍にマイナス要素も発生し、過剰債務を抱えたまま売り上げが回復しない企業の息切れ型の経営破たん、私的整理による事業再生が難航した末の法的整理の増加で、年末に向けて倒産件数が上昇局面に転じる可能性は否定できないとしている。

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