地域産品EC「くまもと風土」を運営するローカルは、12月15日に東京証券取引所が運営するプロ向け株式市場「TOKYO PRO Market」へ新規上場した。同日に東証で実施された上場セレモニーには、楽天グループの三木谷浩史社長兼会長も駆け付けた。
ローカルは上場について、「今後は上場企業としての自覚と責任を持ち、『全従業員・生産者とともに、無限の可能性を追求し、地方から日本を元気にする。』というミッションのもと、地域食材を活用した商品開発やふるさと納税支援を通じて企業価値の向上をめざす」としている。
セレモニーでは、ローカルの吉永安宏社長が「地域の生鮮食品や加工食品を自社ブランドでEC・ふるさと納税支援などを行うことで、力強い地方創生を推進していく」とコメント。
セレモニーに駆け付けた楽天の三木谷社長は「楽天市場をスタートさせて28年。大成功する店舗が出てきて、やってきてよかったと嬉しく思う。とはいえ上場は通過点だと思うので、ますますの発展を祈念する」と祝辞を寄せた。
ローカルは2008年、熊本市でコムセンスとして設立された。現在はECサイトでの商品販売やふるさと納税の返礼品提供を行うDtoC事業、ふるさと納税の運営サポートを行うBtoG事業を中心に、「食のSPA」モデルで事業を展開している。
DtoC事業では「くまもと風土」など5ブランドを展開し、「楽天市場」など計28サイトで地方の農産品や加工品を販売している。「【くまもと風土】楽天市場店」は、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(肉・野菜・フルーツジャンル)を8度受賞した有力店舗である。
ふるさと納税の運営サポートを行うBtoG事業は2017年に開始し、現在は全国41自治体と契約して運営代行・サポートを提供している。
2025年2月期の売上高は83億200万円、営業利益は2700万円、経常利益は1500万円、当期純利益は1300万円。なお、2024年9月に決算月を9月から2月に変更したため、2025年2月期は17か月の変則決算。
売上高の内訳は、食のSPA事業が80億7900万円、その他が2億2300万円。食のSPA事業の内訳は、DtoC事業が71億8600万円、BtoG事業が8億9300万円。販売先のトップは楽天グループで14億3400万円で構成比は17.3%、次いで熊本県御船町が12億5100万円で同15.1%となっている。
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