香水販売の「NOSE SHOP」を展開するNOSE SHOPは3月17日、東京証券取引所のプロ向け市場「TOKYO PRO Market」に上場した。
NOSE SHOPは海外ブランド香水の輸入販売を主力としたフレグランスなどのコスメ販売事業を手がける。世界中の個性豊かなニッチフレグランスを厳選して取り扱うセレクトショップ「NOSE SHOP」の実店舗を中核に、香りを軸としたECを含むリテール・体験事業を展開している。
EC売上は3億2191万円、EC比率は約17%
2025年6月期の売上高は前年比22.7%増の19億509万円。営業利益は同103.0%増の2億3011万円、経常利益は同103.3%増の2億2767万円、当期純利益は同107.6%増の1億6182万円と大幅な増収増益を達成している。
販売チャネル別の内訳は、直営店舗事業が同26.8%増の15億4435万円、EC事業が同12.7%増の3億2191万円、卸売事業が同21.3%減の3882万円だった。構成比は、直営店舗が約81.1%、ECが約16.9%、卸売が約2.0%。
2017年に「NOSE SHOP」1号店、以降全国へ展開
2011年7月、東京都渋谷区でオーガニックコスメの輸入販売を目的に「BIOTOPE」を設立し、2014年6月にイタリア発のフレグランスブランドの販売を開始。2017年8月、新宿ニュウマンに「NOSE SHOP」1号店を出店し、ニッチフレグランス専門店として本格展開を始めた。その後、2021年に関西、2022年に中部、2023年に北海道、2024年に九州へと進出し、全国へと店舗網を拡大している。2021年12月には社名をNOSE SHOPに変更し、本社を東京・渋谷に移転した。
ビジネスモデルは香水を「体験」と「提案」で売る
NOSE SHOPは香水を単に販売するのではなく、「香りを選ぶ体験」そのものを価値として提供することを掲げる。ニッチフレグランスは選択肢が多く、香りの好みも分かれやすい商材であるため、「厳選した品ぞろえ(セレクト)」と「提案」を通じて選びやすさを作る戦略を取る。
基幹事業の「NOSE SHOP」は世界各国から厳選した約90ブランド・1500種以上に及ぶ香水を取りそろえる。専門知識を有するスタッフによる接客と、各香水の背景にある物語や世界観を伝える売り場作りを通じて、顧客1人ひとりの最適な香り選びをサポートする。
試香体験を促進する店舗レイアウトや、ディスカバリーキット(少量サイズのセット)などの展開により、顧客の体験価値向上と購買機会を拡大。「NOSE SHOP」は15店舗を展開している。
また、香水に加え、リキッドソープ、ハンドクリーム、入浴剤、洗濯洗剤など、香りを日常生活に取り入れるためのプロダクトをそろえるオリジナルブランド「KO-GU」や、ブランド単独店、バー業態といった多角的な実店舗展開も進めている。
ECではAIが最適な香水をレコメンド
EC事業では、「NOSE SHOP」と「KO-GU」の公式オンラインストアを運営。実店舗と同等の商品情報に加え、香りの特徴や使用シーン、ブランド背景などのコンテンツを充実させ、オンライン上でも商品の比較・検討が容易な環境を整備している。
大規模な香水データベースを持つフランス企業FaPaが提供するAIツール「PERFUMIST」を導入。顧客が好みの香りの傾向やキーワードを選択することで、取扱製品の中からAIが最適な香水を提案するサービスを提供している。
多角的な実店舗展開、EC、卸売事業を組み合わせ、多様な顧客接点を構築。市場環境の変化や顧客嗜好の多様化に対し柔軟に対応するとともに、AI活用によるオンライン接客の強化など、実店舗とECを相互補完させるオムニチャネル運営によりLTV向上に取り組んでいる。
ECのテクノロジー活用を高度化、海外展開も視野
今後の展望は、国内における新規店舗出店や取扱ブランドごとの販売強化、新業態の拡張を通じて、拡大するニッチフレグランス市場でのシェア獲得を推進していく。
EC事業と卸売事業では、AIなどテクノロジー活用の高度化やパートナー連携の強化を進め、より効率的な事業運営と顧客体験の向上をめざす。中長期的には、国内で培った香り関連事業のノウハウを活用し、海外市場への展開も視野に入れている。香りの総合リテールプラットフォームへの発展を図るとしている。
なお2025年12月31日現在の従業員数は77人で、臨時雇用者数(パートタイマーを含み、派遣社員を除く)は年間平均63人。平均年齢は29.6歳、平均勤続年数は2.6年、平均年間給与は432万4000円(賞与および基準外賃金を含む)。
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