越境ECで人気のアニメジャンルとは? 海外ユーザーのアニメグッズの消費動向をBEENOSが発表
BEENOSが発表した「BEENOS 越境EC×アニメ ヒットランキング2023」によると、2023年の「Buyee(バイイー)」におけるアニメ関連グッズのシェアは25%で、全体の4分の1を占めた。アニメ作品の関連グッズで最も購入されたタイトルは「ポケットモンスター」だった。
アニメ関連市場は過去最高を記録
一般社団法人日本動画協会が発表した「アニメ産業レポート2023」によると、2022年のアニメ関連市場は過去最高の2兆9277億円(前年比6.8%増)で、約半数の1.4兆円は海外市場によるものだという。
背景には、動画配信サービスの普及が進み、世界中の消費者が場所や時間にとらわれず、過去から現在までの日本のアニメ作品を視聴できるようになったことがあげられる。また、コロナ禍や円安の影響で越境EC市場が拡大、海外のアニメファンが作品の商品やグッズを購入する機会が増えていることも考えられるという。
コロナ禍以降、動画配信サービスが拡大し、日本と世界でタイムラグなく作品がヒットするようになった。2019年に放送開始した「鬼滅の刃」、2023年の「推しの子」を比較すると、「鬼滅の刃」は放送開始から流通上昇までに約3か月かかっているが、「推しの子」は放送開始直後から流通が上昇、「世界同時消費」が起きている。
「Buyee」におけるアニメカテゴリのシェアは25%
海外向け購入サポートサービス「Buyee」における、2023年のアニメ関連グッズのシェアは25%で、全体の4分の1を占めたという。
アニメ関連グッズの購入において最も成長したエリアは中南米で、2022年と比較して購入金額は120%、購入UU数は130%、購入件数は125%だった。
2023年放映アニメ、関連商品で一番購入されたのは「ポケットモンスター」
2023年1月~12月に日本でTV放送を開始した約300のアニメ作品の関連商品で、「Buyee」において最も海外ユーザーから購入されたタイトルは「ポケットモンスター」だった。2位の「呪術廻戦」、3位のスマートフォンゲーム「あんさんぶるスターズ!!」、4位の「鬼滅の刃」も全エリアでトップ5にランクインし、上位作品は世界中で支持を受けている。
エリア別にランキングを見ると、「ポケットモンスター」が全エリアで1位を獲得。ヒットランキング5位の「五等分の花嫁」は東アジア、東南アジア、中南米エリアで人気が高い。「あんさんぶるスターズ!!」は北米とヨーロッパエリアでは2位にランクイン。中東エリアでは、もともと現地人気の高い「キャプテン翼」が2位にランクインしており、エリアによって傾向差があることがわかった。
人気商品カテゴリでは、全エリアで「フィギュア」の人気が高い
グッズジャンルランキングでは、全エリアでフィギュアが2位以内に入っており、人気の高さがうかがえる。北米、欧州、中東などではコレクション性だけではなく、資産性もあるトレーディングカードが1位を獲得した。
アニメ視聴以外の楽しみ、トップは「グッズ購入」
BEENOSは海外アニメファンにオンラインアンケートを実施し、アニメグッズの購入環境について調査した。
アニメ視聴以外の楽しみについて聞いたところ、トップは「アニメのグッズを買う」(86%)で、「ファンアートを鑑賞する」(51%)「SNS・掲示板などでファンと交流」(49%)といったオンライン上の活動に対して20ポイント以上の差がついた。
海外におけるアニメ関連商品の購入環境は限定的
「好きなアニメ作品のキャラクターグッズが自身の住んでいる国・地域で販売されているか」と聞いたところ、「販売されているが購入が難しい」(57%)が最も多かった。
また、グッズ購入における課題では「自国で購入できるサイトや店舗が限定的」という回答が多数を占め、アニメグッズの購入環境はまだ限定的であることがわかる。
調査実施概要
- 調査方法:インターネット調査
- 調査期間:2024年2月15日~2月22日
- 調査対象:「Buyee」で2023年2月10日~2024年2月11日までの1年間に商品を購入した台湾、アメリカ、韓国、マレーシア、シンガポール、イギリス、フランスなどに在住しているユーザー807人