鳥栖 剛[執筆] 9/13 7:00

ティーライフの3か年の中期経営計画(最終年度は2025年7月期)では「新たな顧客層の獲得」「越境EC拡大」「物流センターの遊休スペース収益化」などに注力し、経営リソースを投入している。

ティーライフが進める2023年7月期から2025年7月期の3か年の中期経営計画では「差別化戦略の推進」「将来の成長に向けた挑戦」「強固な経営基盤の構築」の3つを方針に、オンリーワン商品の開発・育成、ファンマーケティングの強化、海外進出への投資、DX推進などを重点施策として掲げている。

ティーライフの3か年の中期経営計画
ティーライフでは2025年7月期を最終年度とする3か年の中期経営計画が進行中(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

現在は5つのテーマについてプロジェクトを立ち上げ、経営リソースを投入している。プロジェクトは①新たな顧客層の開拓②越境ECの拡大③遊休スペースの収益化④新規収益不動産の取得⑤グループシナジーの創出――の5つ。

ティーライフの3か年の中期経営計画
ノンカフェイン製品拡充による若年層開拓など5つのプロジェクトを推進(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

新たな顧客層の獲得に向けては、ノンカフェイン製品の拡充を行い若年層の開拓を図る。子育て世代を中心にSNSで人気の高いクリエイター「つむぱぱ」とコラボしノンカフェイン製品ブランド「CHA+OCO(ちゃとこ・仮)」を開発を推進。そのほか、スケートボードの愛好者をターゲットとする、スポーツを楽しむこどもたちの水分補給をサポートするペットボトルタイプのノンカフェインのルイボスティー製品を開発していく。

ティーライフの3か年の中期経営計画
新たに開拓したいターゲット層に人気のクリエイターとコラボしノンカフェイン製品を開発していく(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

越境EC拡大については、米国向けBtoB領域に進出。米国のカフェやレストランなど日本食を求めるバイヤーと日本のメーカーをティーライフが仲介するマーケットプレイス「Glocal Depot(グローカル・デポ)」を展開していく。仕組みとしては国内メーカーは米国バイヤーから注文を受けた商品をティーライフの倉庫に出荷。ティーライフが海外へと出荷する。

ティーライフの3か年の中期経営計画
BtoB越境ECプラットフォーム「Glocal Depot」を構築する(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)

既存物流センターの改修も行っており、越境物流の拠点としても活用するなど遊休スペースの収益化を図る。物流センターの新設も検討している。グループシナジーの創出については、カンパニー制を採用しているグループ内リソースの最適化を図っていく。

ティーライフの2024年7月期の売上高は前期比3.4%減の130億100万円。ECモール内の競争激化による苦戦や「紅麹問題」が影響しサプリメントの販売が伸び悩んだとしている。営業利益は同33.0%減の5億5100万円、経常利益は33.2%減の5億6400万円、当期純利益は46.6%減の3億1900万円だった。仕入価格やエネルギー価格・人件費・物流コスト上昇の影響を受けたほか、積極的な広告宣伝活動や海外展開に向けた先行投資により減益となった。

2025年7月期の業績予測は、売上高が前期比0.9%減の128億8200万円。営業利益は21.0%増の6億6700万円、経常利益は同15.2%増の6億4900万円、当期純利益は同32.5%増の4億2300万円を計画。引き続き「紅麹問題」により機能性表示食品・サプリメント市場の成長が鈍化することを予想し減収を見込む。

一方、収益改善と先行投資の効果により利益を確保する計画。なおティーライフでは中期経営計画において当初は2025年7月期に売上高150億円達成を掲げていたが、次期中期経営計画の早い段階での達成を目指すとしている。推進する5プロジェクトにより売上の積み上げを図っていく計画だ。

ティーライフの3か年の中期経営計画
若年層開拓や越境EC拡充などで売り上げを積み上げ売上高150億円達成をめざす(画像はIR資料から編集部がキャプチャ)
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