「型番商品はもうしんどい」と言われて数年。変化する顧客の購買行動を見て、老舗家電ECが取る戦略と考え方を分析してみた【ネッ担まとめ】
最近外で話をする機会が多いのですが、オリジナル商品を扱っている人、仕入れ商品を扱っている人とさまざまな人から、ざっくり言うと「どう売ればいいのか」という質問をよくいただきます。「型番はもう数年前から大手が強い」という話をよく聞いていましたが、そんな型番商品の起死回生の一手。
どこで買うのか、誰から買うのか、それをどうやって自店舗で「買いたい」と思ってもらえるようにするのか。「タンタンショップ」を運営するタンタンコーポレーション社長 丹澤直人氏のインタビューから、私は「接客」というキーワードが思い浮かびました。激安ショップからの転換をめざす家電量販店のEC戦略を是非読んでみてください。
型番商品でもサイト内接客、商品の魅力やストーリーを伝えることが大切
タンタンコーポレーションの差別化戦略① 「セレクト店」へ転換 | 通販新聞
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=7531
タンタンコーポレーションの差別化戦略② ワイン通販に参入 本社移転し倉庫併設 | 通販新聞
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=7538
今までは『激安』という冠をサイト名につけており、価格の安さを強みとしてきたが、価格メリットを求めて『価格.com』を訪れる層も減ってきている
丹澤社長は「売り場に制限の無い、インターネットだから何でも商品を並べるという考え方ではなく、タンタンの視点で選んだ、ベストな家電を並べる店舗にしていきたい」と語る。かつての「ロングテール」的な考え方から、「セレクトショップ」への転換だ。
記事内で後述しているのですが、「タンタン」としてのセレクト。家電量販店の店員さん的な立ち位置で、セレクトショップとして商品を選択してもらう、いわゆるサイト内での接客です。個人的には非常に共感が持てます。「商品を並べるだけのサイトから、接客をサイト内で行う」という意図と意識がしっかりお客さまに伝わるように、サイト内設計も含めて行っているということでしょう。
お客さまの選択時の判断基準に寄り添い、しっかり接客する。これは大小関わらず今後のECに重要なポイントだと思っています。しっかりとこの辺りを作り込んで、良いモノ・ユーザーそれぞれに合うモノをサイト内で表現していき、カテゴリーなどを駆使しパーソナライズしていく。非常に学びの多い考え方ですね。
自分たちのセレクトしたナショナルブランドの商品をうまく訴求できなければ、例えPBを開発したとしても販売数は伸びない。訴求力や提案力、集客力を磨くことが課題となる。「商品を絞り込んで販促し、『売れる』『売れない』を繰り返していく先にPBがあるのではないか」(丹澤社長)。
「現状の商品の魅力を伝えきれていないうちからPB商品を販売しても売れない」は納得。型番商品はオリジナル商品を販売しているページからすると、どうしてもその商品の魅力などを記載していないサイトが多い気がします。それから、スタートしたばかりのサイトも。
アパレルや食品業界では一般的ですが、商品の魅力とそのストーリーをしっかり表現し、商品の魅力をいかに伝えるのかということも、型番商品ではある意味魅力になってくる。そしてそこも“接客”という枠のうちの1つなのかもしれません。
また、この後に記事内で出てくる「コンテンツマーケティングも接客」という意味では、そういうものの1つと考えられます。「いかにサイト上で『タンタン流』接客をしていくのか」という型番商品の新しい戦略が垣間見えて、さまざまな商材でも参考になる記事を今回はピックアップしました。
関連記事:ヨドバシ、ビックカメラ、ヤマダデンキなど大手のEC強化で競争激化。老舗の家電EC「タンタンショップ」の変革への挑戦 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12930
要チェック記事
ネットショップのお詫びメールの書き方とは?参考になる謝罪文の例文・テンプレも紹介! | よむよむCOLOR ME by GMOペパボ
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/102304
見せ方や言葉のチョイスって凄く重要です。顔が見えない分、大事な言葉の選び方。特に謝罪をする際はより慎重に言葉選びをしたい。そんな「HOW TO」ってなかなかないので、復習のつもりでも是非読んでみると良いかも!
ギフトスイーツのシュクレイ、ECサイト刷新 ブランドサイト統合、ギフト購入フローを改善 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/12629
ギフトスイーツのシュクレイがECサイトを刷新。リニューアルのポイントとは? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12965
そのまま使うとここまで高機能なサービス展開はできないとは思いますが、それ以外にもいろいろと学ぶ点は多いかも?! 元ギフト系の商材を取り扱っていた身としては色々と勉強になります。
アマゾンジャパン、過密地域での配送にリヤカー付き電動アシスト自転車の新モデルを導入 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12984
確かに日本は狭い道もあるし、車が通行禁止の道路では物流会社の人が台車を引いて走っている姿をよく見かけます。細い上に車が通れなくなる道もあるので。
しまむらのEC売上100億円突破が視野に。2024年上半期で61億円で約2倍成長、店舗受取率約84% | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/12958
リアルとバーチャルが融合したら、それは強みにもなってくる。ユニクロもしかり。リアル×バーチャルが当たり前になってきて、数年前まで使われていた言葉はもうあまり聞きませんが、「ボーダレス化」は大事ですよね。
【2024年版】物販系ECの市場規模と主要カテゴリーの動向 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/56673
EC化率や成長率など、自社の売り上げと世の中の動向を見比べた際、まだまだいけるのか、伸び率としては順調なのか、他のジャンルと比べてどうなのか。勿論自社サイトもそうですし、モール運用について考える為のちょっとしたスパイスに。
今週の唸った・刺さった・二度見した
ねだるな、勝ち取れ。さすれば与えられん | アニメ「交響詩篇エウレカセブン」
https://www.famitsu.com/news/202201/09247057.html(上記フレーズを用いている「ファミ通.com」の記事を出典元として記載しています)
偉人や有名人の唸った言葉を今までは紹介してきましたが、自分自身の座右の銘ということで、今回はアニメ「交響詩篇エウレカセブン」の台詞から。要約すると「欲しいものはねだらずに、自分の力で勝ち取る努力をする」ということ。「人から与えられること、理想や希望ではなく、とにかく自分で動いて追い求めないと得ることができない」という意味で自分にいつも言い聞かせています。
現状を打破するのも、何かを変えるのも、すべて誰かに委ねるのではなく、自ら変えて行けるようにするために是非、第2話「ブルースカイフィッシュ」を見てみてください(笑)。それにしても、色あせない良い言葉ですね。
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Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。
確かに最近、「価格.com」を見ないわけではありませんが、Y世代の我々ですら実際に「価格.com」での検索自体は減ってきている気がします。ファッションでも食品でもSNSが出てきて、ここ数年で売り方や流入の仕方は変化し続けています。
今まで実施していた戦略がまったく使えないということも、10年以上ECで販売している会社であればいくつかその内容をあげられると思います。勿論これはモールでも同じことが言えますし、モール内の広告もどんどん変わってきているのが現状。また、「スマホ化が進んだ」ということも1つの要因になっている気がします。そのなかで、型番商材を扱う事業者として大手を相手にどう立ち回るのか。非常に注目の記事です。